素人でもこれでOKリスクの少ない投資

ほぼゼロ金利の銀行の普通預金に対して、MRFは平均金利が0.1~0.2%と利回りが高い。このMRFは「マネー・リザーブ・ファンド」の略で、国債や社債などの金融商品の中でも、かなり安定性の高い債券のみで運用される投資信託のこと。多くの証券会社の証券総合口座に預けると、自動的にMRFに投資された形になる。いつでも入金と引き出しができるため、銀行預金によく似ている。

当然、元本割れのリスクもあるのだが、100年に一度と言われた08年のリーマンショック後の大停滞期でも、元本割れはしていないから安心だろう。

MRF口座に預けつつ、「一定額を積み立てる積立投資信託で運用するのがいい」とアドバイスするのが、ファイナンシャルプランナーの藤原久敏氏だ。
「毎月、一定額程度を外国の株式、債券、不動産のインデックス(指標)に連動した投資信託や上場投資信託(ETF株式市場で売買できる投資信託のこと)に投資していきます。なお購入、運用、解約の際に手数料がかかる投資信託も多いので注意が必要です」(前同)

ちなみに、ETFとは日経平均株価や東証株価指数などの株価指数に連動することを目的として運用される投資信託のことで、比較的リスクが少ない投資だ。

基本的には投資信託や上場投資信託などの積み立ては、「円」以外の外国の資産への投資に向けるべき。
「円安で、日本の資産はどんどん目減りしているからです。外国の資産を持つことで、日本円の目減りに対応するんです」(同)

日本国内への投資に関しては、10万円程度の株主優待株式への投資を提案する。
「10万円程度なら、株価が下がっても大きな損にはならないし、株主優待メリットも大きい」(同)

「利用しやすいのは、吉野家HDなどです。優待最低価格13 万5200円で、優待内容は300円サービス券(100株以上10枚)です。店頭で一般客に配布される50円引クーポンとの併用も可能ですので、かなりお得。さらに、人によっては、300円サービス券をより多くもらおうと、家族で、それぞれ100株ずつ持つ人もいます」(同)

1人で400株を持っても、300円サービス券は10枚だが、4人家族で、それぞれが100株(合計400株)持てば、サービス券は40枚になるのだ。

なお、この株主優待の権利を得るのは、それぞれの権利確定月の月末に株式を保有している必要がある。
この株主優待を目当てとする投資家も多く、一般的に株主優待の充実した株式は権利確定月の月末(権利確定日)に向けて「買い」が集まり、価格が上昇する。
また、権利確定日を過ぎると、株価は株主優待のメリット分だけ下落するので、注意が必要だ。

こうした10万円程度の株主優待株を、NISA(少額投資非課税制度)の限度額である年100万円までの投資で利用したい。NISAとは、金融機関で専用の口座を開設し(前述した証券総合口座とは別に)、上場株式や投資信託などを買い付けると、本来なら20%課税される配当金や売却益が非課税となる制度。14年1月に導入されたもので、5年間で最大500万円分設定できる。さあ、リスクの少ない投資から始めよう!

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