「厚生労働省のデータによると、退院者の平均在院日数は32・8日。それも認知症、統合失調症、アルツハイマーが軒並み3ケタ突破で、数値を押し上げており、基本的には1か月以内で退院する人がほとんど」(同)
あら、意外と安上がり!?
「収入にもよりますが、医療費はだいたい8万円+差額ベッド代の負担が最低限大丈夫ってことです」(前出・ケースワーカー)

むろん、がんなど治療に長期間を要する病気の場合は、この限りでない。
「とはいえ、保険は手数料の高過ぎる"ギャンブル"です。テラ銭で言えば、競馬は25%、パチンコは約20%ですが、生命保険は40~60%。支払った保険料の半分は戻ってこない計算になるんです。それならば、貯金で対応するのが吉。給料日に天引きで貯めるのが一番無難です」(前出・マネー誌編集者)

なんとも地味な方策ではあるが、確かに現金ほど頼りになるものはない。
ちなみに労災で病院にかかる場合は、1円もかからない。"療養補償給付"という制度で、窓口で払ったお金が全額、労災保険を通じて戻ってくるのだ。

一方、自身の病状と同等か、それ以上に気になってくるのが"親の介護"。
「要支援1~2、要介護1~5までの7段階でランクづけされ、国の介護保険制度が利用でき、月の自己負担額は、最大で3万6000円強です」
と解説するのは、介護サービス企業の幹部。

「しかしながら、介護保険制度は、家族のサポートがあることを前提としています。家政婦を雇うと、月ン十万円。有料老人ホームに入っても、同様の額がかかってきます」(前同)
となれば、大金持ちでもない限り、ある程度は自分たちで手伝うしかない。だけど、仕事を休めば収入は途絶えてしまう。

「そこであるのが、"介護休業給付金"です。常時介護が必要な家族を持つ人が休職する間、会社からお金が支給されなくとも、月給の4割が最大3か月もらえます。それは、サラリーマンに限った話でなく、月に11日以上働いている実績がある人だったら、パートでも大丈夫。きちんと申請しましょう」(同)

一方で、子育てのために育児休暇を取っても、給料の5割が雇用保険から(原則、最大1年間で1歳を迎えるまで)支給される。これが、育児休業給付金。
「子どもの養育費、学費などの保険として、逓減定期(だんだん支給額が下がる)保険に加入される方が多いんですが、子どもがいる家庭は、国が守ってくれる部分もあるんです。昨今、言われるシングルマザーの貧困問題は、こうした制度を周知できないことに原因があります」
と言うのは、NPOスタッフ。

「ご存じのように、子どもがいるだけで毎月もらえる"児童手当"が、まずある。3歳未満の児童1人につき一律1万5000円、3歳以上中学生までが1万円で、第3子以降は3歳~小学校修了まで、5000円加算されます(世帯年収が960万円以下の方/それを超す人の場合、中学生まで一律5000円)」(前同)

さらに、一人親家庭にはきめ細やかなフォロー態勢。
「18歳までの子どもがいて、前年度の所得が230万円以下なら、月1~4万円程度がもらえる"児童扶養手当"があります。加えて、自治体によっては"児童育成手当"(東京都では1人につき月額1万3500円)、医療費助成、義務教育期の就学援助など、さまざまな経済援助の制度があります」(同)

日夜、制度は変わっていく。これらの「国の保険」が拡充されるのも、"仕分け"されるのも、政治家次第で、その時々で変わってくる。それだけに、マメにチェックをしていきたいものである。

前出のファイナンシャルプランナーが言う。
「現状で、国が大部分を保障してくれています。プラスで、どれだけ下駄を履けばいいかと、考えてみてはいかがでしょうか。保険に入るときは"不安だから"という理由だけで入るのは大損。シミュレーションを行い、将来、必要であろうお金を計算し、場合に応じて入るというスタンスが一番お得です」

こまかい計算は面倒臭い……などと言わず、一度やってみてもいいのかもしれません!

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