[復刻大衆]
1958年に創刊された「週刊大衆」のバックナンバーから、過去の記事をピックアップしてお届けする企画。今回は「週刊大衆」昭和60年2月11日号の記事をお届けします。


名門高校野球部監督に起こった「少女売春あっせん」

なんとも強烈なスキャンダルではある。高校野球界と大学野球界はしょせん、こんなダーティな関係だったということを世間にパラしてしまったのだから。が、“こんなもんじゃありませんよ”と、ある関係者が話してくれたことはさらに強烈だった……。

「明徳の事件を新聞で見て、正直な話、プルッときました。わたしら、売春のあっせんなどということはまちがってもやらないけど、食事やちょいと飲むくらいのもてなしは日常ですからね。……まあこれからはそれにも気をつけなければと、つくづく思いましたよ」
と語るのは昨年の甲子闘でも大活躍した関東地区の某高校の野球部監督である。

今回の明徳義塾の事件は「ひょっとしたらわれわれにも……」と、なにやら他人事とは思えぬ微妙な口ぶりだったのである。その明徳事件をかいつまんで追ってみると……。

創立9年目にして野球の名門校(選抜3回、夏1回)にのしあがり、道徳教育を学校の柱としている私立明徳義塾高校。
その校長代理で野球部長をしていたY(37)が、なんと売春防止法違反(周旋)の容疑で1月19日に逮捕されたことから始まった。

続いて同校、相撲部監督のH(29)も事情聴取。さらにその女性のあっせん先が、東都大学リーグの雄、駒沢大学野球部のO監督だということが漏れ伝わり、明徳高校ばかりでなく、アマ野球界全体をひっくり返すような騒ぎに発展したのである。が、O監督の場合、高知南署からの2度にわたる事情聴取の結果、疑いは晴れた。

「YはO監督のもてなしに勝手な計算を働かせて、Hを通じて、ホテルの部屋に16歳の少女をさしむけたんですが、これが、暴力団組織のコでね」(地元記者)

“つたなかった”といえる。監督にとっては、まさに“危険な瞬間”だった。もし、われわれだったら、どうだったか。
O監督は「こんなことをしちゃいかん」と、少女に言い聞かせ、「はっきりとは憶えていないが、5000円か1万円のホテル代を渡して少女を部屋から追い出した」という。

しかしヤッたヤラないという下センな話はともかくとして、女性をあっせんするなどという教育者にあるまじき行為を働いたYのおかげで明徳高校野球部は、出場が確実視されていた春の選技大会に、高校側から出場辞退宣言をせざるをえないハメになるのである。
Yら、明徳側の“やりすぎ接待”が、すべてをパーにしてしまったわけである。


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