がん、脳卒中、心臓病という生活習慣病を引き起こすメタボリックシンドロームに続き、いまそれ以上に深刻な問題として注目されているのが「ロコモティブシンドローム」だ。運動機能に影響を与えるロコモがなぜいま注目されているのか? それを解消するためにはどうすればいいのか? 10年、20年後に後悔しないための対策を紹介しよう。

メタボは肥満や高血圧など、代謝の問題による発症リスクが問題とされているが、ロコモは運動器の問題。関節、筋肉、その筋肉に指令を出す神経などの器官が衰えることにより、要支援、要介護のリスクが高まることが問題視されているのだ。特に現代は機械化や自動化がすすみ、移動は電車やバス、駅ではエスカレーターを使い、会社でも机に座ったままパソコンひとつで仕事ができるため、体を動かす機会が激減している。ロコモが危険な段階にまで進んでいる人は、密かに急増している。70代や80代ならまだしも、50代で歩くこともままならない要介護状態になってしまう可能性もあるのだ。

はたしてあなたはロコモなのかどうか? 1月に発売された新書「要介護がイヤなら今すぐ猫背を直せ」(著者=坂詰真二・双葉社)に、ロコモチェック項目が掲載されているので、抜粋して紹介しよう。

これができなければあなたはロコモ間近!

1:腰幅に立った姿勢からかかとを床につけたまましゃがむ(和式トイレで座る姿勢)

2:駅の階段を一段抜かしで駆け上がる

3:電車で吊り革を持たずに一駅乗っていられる

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どうだろうか? 1は足首と股関節の柔軟性、2は下半身の筋力、3は平衡性が高くなければ難しい。もしいまこれらができないと、将来、ちょっとした段差でつまづいたり、階段をのぼるのに手すりが必要となったり、片足立ちで靴下がはけないなど、要介護1歩手前となってしまう可能性が高い。
このようなロコモを解消するさまざまなトレーニング法が紹介されているのが、前記の「要介護がイヤなら今すぐ猫背を直せ」だ。今回はその中から、平衡性を高めるバランストレーニングを紹介しよう。

10秒でできるロコモ防止トレーニング「腕組み片足立ち」
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まず壁などの近くで足を揃え、腕を組んで立つ。つま先は正面に向け背筋を伸ばしたら、一方の足をあげて、反対の足で立ちバランスを取る。これを交互に1〜3セット繰り返す。初級者ならば10秒から挑戦してみよう。

引き起こされる事態は深刻だが、ロコモは簡単な運動で解消することができる。将来のため、今から対策に取り組むべきであろう。より詳しいことは「要介護がイヤなら今すぐ猫背を直せ」を参考にしていただきたい。










「要介護がイヤなら今すぐ猫背を直せ」(双葉社)は全国書店で絶賛発売中

著者:坂詰真二
●スポーツ&サイエンス代表。アスリートの指導やスポーツ・医療系専門学校の講師を務めながら、雑誌「Tarzan」を始め、さまざまなメディアで運動指導、監修、出演をしている

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