好調狙い馬予想 薮中泰人
7F戦ならダノングラシアス


日曜日に阪神で行われるフィリーズレビューは先週のチューリップ賞に続く桜花賞のトライアル戦。本番より距離が1F短い7Fで争われる。

メンバーの顔ぶれも今年は7F向きのタイプがやけに多い。本番よりここ勝負の陣営がそれだけ多いということだろう。
なかでも期待一番手はダノングラシアスだ。前走のクイーンSは陣営の意図したレースにならなかった。好スタートが逆にアダとなり、そのままハナを切る競馬。各馬の目標になり、直線は馬群に飲み込まれた。
11着の敗因は距離面にもあったか。マイル戦は2走前の阪神JFでも13着と崩れているからだ。7F戦ではレースぶりも変わる。新潟でデビュー勝ちし、2戦目のりんどう賞があえて控える形でクビ差の2着。3戦目のGⅢファンタジーSもレース上がりを1秒1上回る3F33秒3で追い込んで2着。勝ち馬との半馬身差はスローな展開のぶんだった。

前走が2か月ぶりの実戦で、叩いた効果も期待できる。牝馬でも490キロ台の大型だが、2週前追い切りでは坂路で53秒8-13秒4を馬なりでマーク。動きが素軽く、体も全体に引き締まってきた。br />
穴で狙ってみたいのはムーンエクスプレス。
410キロ台の小柄な馬体だが、とても勝負強い。これまで6戦したが②③①⑤①④着と一度も掲示板を外していない。前走のGⅠ阪神JFでも好位追走から、あわやの場面を作り、コンマ3秒差に健闘した。それでいて人気にならないタイプで前3走は13、4、12番人気である。前走から一息入れたが、仕上がり早のタイプで、2週前追い切りでは力のいるCWコースで6F85秒0、ラスト追って11秒9で上がってきた。2走前の勝利が7Fで、舞台条件もぴったりだ。

あと2戦2勝のクイーンズリングは千八→千六を使って、今回が7Fという点が気掛かりだが、前走の勝ち時計はGⅢのフェアリーSをコンマ3秒上回る1分34秒9だ。鞍上も"デビュー"日にいきなり重賞を制したM・デムーロ。素質でカバーする可能性はあるだろう。

今週は中山牝馬S、中日新聞杯と2つの重賞があるが、前者は関東馬が優勢。
後者の期待ならデウスウルトだ。昨暮れのチャレンジC2着、中山金杯3着と重賞でも通じる地力を身につけた。ここ狙いで仕上がりも◎。左回りも4戦2連対と苦にしない。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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