男子体操 金×3

昨年10月、中国で行われた体操の世界選手権男子団体決勝で、日本チームはスコアボードを見て呆然とした。
中国の最終演技者が予想以上の高得点をマーク。わずか0.1点、日本を上回ったからだ。
この瞬間、日本がほぼ手中にしていた金メダル、世界選手権では36年ぶりの団体金メダルが夢と消えた。
「モヤモヤした気分の残る結果でした。内村がポツリとこぼしたように"場所の差"なんでしょう。開催地が中国以外の国なら、結果は違っていたかも。採点競技の怖さを改めて思い知らされました」(スポーツ紙記者)
だが日本は、この大会で大きな収穫を得ていたのだ。

ロンドン五輪では銀メダルを獲得した団体。だが、金メダルの中国には4点以上の大差をつけられる完敗だった。しかし今回は最後までリードを守り、日本が主導権を握っていた。
復活した"体操ニッポン"のリーダーは、もちろん内村航平(26)。世界選手権の個人総合で4連覇を達成した最強のオールラウンダーだ。彼以前に連続優勝した選手は、みな2大会まで。この事実だけを見ても、内村がいかに強いか、よくわかる。
そして、いまの日本には、彼に負けず劣らずの実力を持つ逸材が揃っている。

内村が「ひねりすぎて気持ち悪い」と言うほどの鋭い技を持つ床の白井健三(18)。あん馬の達人・亀山耕平(26)。鉄棒の田中佑典(25)、オールラウンダーの加藤凌平(21)。団体はもちろん、種目別でも金が狙える世界トップレベルの選手たちだ。
リオで笑うのは日本。呆然として言葉を失うのは中国チームのほうと見た!

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