その他 金×α

リオ五輪で日本選手の活躍が期待できる競技種目は、ほかにもある。たとえばテニス。日本テニス協会は、リオでは金メダルの獲得が目標と公言している。
念頭にあるのは、強化選手の一人に指名した錦織圭(25)の存在だろう。世界ランキング5位のトッププレーヤーなら、その可能性は十分にある。
「実は、日本が五輪で初めてメダルを獲った競技がテニスなんです。1920年、アントワープ大会での男子シングルスとダブルスで銀メダルを獲っています。でも、その後はメダルとは無縁。錦織がメダリストになれば、ほぼ1世紀ぶりの快挙になります」(テニス誌編集者)

1世紀ぶりといえば、112年ぶりに五輪競技に復活するゴルフも楽しみだ。
出場選手は、世界ランキングの上位者を中心に男女60名ずつ。予選落ちのない72ホールのストロークプレーで争い、メダリストを決定する。
最終的な出場者は来年7月に確定するが、現時点で有力な日本選手は松山英樹、小田孔明、横峯さくら、森田理香子あたり。
「トッププロが集結する豪華絢爛な試合になりそう。通常の賞金トーナメントとも違う、熱い戦いになるでしょうね。松山はいまからヤル気満々。優勝を狙っています」(ゴルフ誌記者)

陸上の注目は桐生祥秀(よしひで)(19)。17歳で100m10秒01を記録した日本屈指のスプリンターだ。
「あのウサイン・ボルトでさえ、17歳のときは10秒09しか出なかった。大人の体になった桐生が、リオで10秒の壁を破り、表彰台に上がる可能性は高いと思います」(日本陸上連盟関係者)

さて、日本人初の9秒台は出るのだろうか。5年後の2020年夏、東京で2度目のオリンピックが開催される。そこで躍動するのは、現在はまだ10代の若いアスリートたちだ。やがて五輪の主役になるだろう"金の卵"を、競技種目別に挙げてみる。

女子ゴルフで日本のエースになりそうなのは勝みなみ(16)。
昨年、高校に入学したばかりの15歳で「KKT杯バンテリンレディスオープン」に出場。並みいるプロを抑えて優勝し、ゴルフファンの度肝を抜いた。
東京五輪のときは22歳になり、日本を代表するゴルファーに成長しているはずだ。本人も
「オリンピックで金メダルを獲りたい」
と意欲的である。

女子競泳で注目を集めているのは、平泳ぎの今井月(るな)(14)。中学1年で出場した日本選手権200m決勝で、鈴木聡美ら日本のトップスイマーと競い合い、3位に入賞。ポテンシャルの高さを見せつけた。
「今井の特徴は足がデカいこと。身長はそれほどでもありませんが、足のサイズは26・5㎝。これが、まるで足ヒレをつけているような推進力を生んでいます」(水連関係者)
フェンシングには、北京とロンドンでメダルを獲得した太田雄貴以上の才能を持つと言われる松山恭助(17)がいる。現在の評価は「同年代の中では実力世界一」だが、5年後には、その前置きが取れ、正真正銘の実力世界一になれる素材である。

不振が続く柔道重量級の星は斎藤立(たつる)(12)。ロサンゼルスとソウル五輪を連覇した斎藤仁の息子だ。小学6年の時点で174㎝、116㎏と、大人顔負けの体格。同世代では敵なしの強さを誇っている。
斎藤の夢は「お父さんより強くなって、お父さんを秒殺したいこと」と、「東京五輪で優勝すること」だと言う。

ジュニアボクシングで圧倒的な強さを見せているのは松本圭祐(15)。「U-15ボクシング全国大会」では大会5連覇を達成し、5年連続MVPを獲得している。東京五輪の最有力メダル候補の一人だ。
「父親は元東洋太平洋フェザー級王者の松本好二。通っているジムでは、世界チャンピオンの井上尚弥や八重樫東に可愛がられ、指導も受けています。八重樫は"金メダル間違いなし。村田諒太を超える逸材"と評価しています」(スポーツ紙記者)

ここで取り上げたのは、メダリスト予備軍のほんの一部。ほかにも有望選手はゴマンといる。東京五輪では、大量のニューヒーロー、ニューヒロインが続々と出そうである。

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