「ニッポンを取り戻す」ための妥協案に見せかけた、起死回生の(秘)仰天プラン。転んでタダで起き上る総理ではない!!

黒い献金――またの名を"血税還流疑惑"が安倍内閣を直撃している。
「2月23日、地元の栃木の木材加工会社から300万円にのぼる違法献金を受けていた事実が露見し、西川公也農水相が辞任。これを皮切りに、その4日後には望月義夫環境相と上川陽子法相にも、同様の違法献金疑惑が報じられています。永田町の誰もに、第一次安倍内閣時の"閣僚辞任ドミノからの政権放り投げ"の二の舞か、との思いが脳裏をよぎったはずです」(全国紙政治部デスク)

国から補助金を受ける企業は、その決定から1年間は政治活動への寄付を禁ず――"血税還流"禁止という、この当然の規定が政治資金規正法にあるが、全然守られていないのか。望月氏、上川氏とも「法に抵触しない」と強弁し、今のところ、ギリギリで踏みとどまっている。しかし、
「続いて、下村博文文科相に"黒い疑惑"が飛び出しました」
とは、全国紙社会部記者。

後援会"博友会"の不透明な金の疑惑に加え、〈山口組弘道会の資金源だった風俗業者と昵懇の間柄で(中略)風俗業者に6億円を融資して〉いた男から献金を受けていたと『週刊文春』(2月26日発売号)が報じたのだ。
「当初は献金の援受を全面否定した下村氏でしたが、一転して謝罪し、答弁を訂正。献金はすでに返金したと説明しています」(同記者)

さらに、故中川昭一氏の"未亡人"中川郁子農水政務官には、妻子ある同僚議員との「路チュー不倫」も報じられ、満身創痍の安倍政権。
加えて、総理本人への献金問題まで浮上する始末。
「安倍首相が代表を務める自民党山口県第4選挙区支部が、"オリオンビール"など5社から、補助金交付決定後1年以内に、計220万円の献金を受領しています。首相は数々の大臣と同様、"知らなかった"を連発。逃げ切りに必死ですが、明白な世話料の授受と見えますね」(同)

安倍内閣"総汚染"の現状である。一歩対応を誤れば、政権瓦解の危機。つい先日まで1強多弱を謳歌していた首相が、"哀れ、落ち目の三度笠"状態だという。
「悲願の憲法改正も、連携を組む公明党が二の足を踏んでて、ニッチもサッチもいきません」(前出・デスク)

まさに崖っぷち。しかし、静かに「死」を受け入れる御仁ではない。"起死回生の一手"として、橋下徹大阪市長(維新の党最高顧問)との電撃合体を計画。水面下で進行中というのだ。
在阪の政治記者が言う。
「先の1月14日、関西テレビのニュース番組に出演した安倍首相は、橋下氏が政治家人生最大の目標とする"大阪都構想"に力強いエールを送っています」

公共の電波を利用してのメッセージで、いわく、「二重行政をなくし、住民自治を拡大していく意義はある」と、5月に住民投票を控える"橋下都構想"を高く評価したのである。在阪の記者が続ける。
「自民党大阪府連が都構想に反対する中、このようなトップの発言は、翻意を強制する力を生むもの。事実上の"全面バックアップ"を宣言したわけです」

日本の最高権力者の援軍だ。これに橋下市長は、
「一国の総理が"意義ある"と断言してくれた。非常に重い言葉だ」
「ありがたい。ボクは嬉しくてしょうがない」
と小躍り。続けて、首相が目指す憲法改正について、
「絶対に必要。何かできることがあれば何でもする」
と、橋下市長もまた全面協力の姿勢で応えたのだ。

ベテラン政治記者が言う。
「自公与党は、現在326議席。衆院の3分の2を超え、表面上は、安倍首相悲願の憲法改正の条件は整っています。ただ、首相がここで一気に突っ走れないのは、いざという時、平和を党是とし、"憲法96条の先行改正""国防軍の明記"に異を唱える公明党の35議席が、どう転ぶか見えないからです」

それが、橋下市長が実質的に率いる「維新の党」の衆院41議席が友軍となるなら、話は大きく違ってくる。
「公明党が土壇場で態度を翻しても、それを補ってあまりある勢力です」(同)
2人の"電撃合体"は互いにメリットばかり。

政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「安倍首相が橋下氏の都構想にエールを送り、橋下氏は憲法改正への協力を約束。いわば、"バーター"が成立した形となりました」
ガッチリ握手を交わした安倍首相と橋下大阪市長。その"因縁"は深い。
「安倍氏と橋下氏の接点は、互いの懐刀である菅義偉官房長官と松井一郎大阪府知事(大阪維新の会幹事長=当時)が用意周到に接触してきたことで生まれました。両者の初の接触のきっかけは、"橋下・維新の会"が飛ぶ鳥落とす勢いだった2012年2月。大阪市主催の教育シンポジウムに安倍氏が出席し、同席した松井氏と意気投合したといいます」(前出のデスク)

同シンポジウム終了後、居酒屋で"教育談義"で大盛り上がり。加えて、この大阪訪問時、安倍氏は「国民は、橋下徹大阪市長なら閉塞感を突破してくれるんではないか(と思っている)」とベタボメしている。

政治評論家の浅川博忠氏が言う。
「当時、安倍氏は第一次安倍内閣を放り出して失意のドン底にあり、党内でも不遇をかこっていました。そこで、昇り竜の勢いにあった橋下維新と連携。自民党の安倍シンパと橋下維新が合流し、"保保連立"を成し遂げて政界再浮上をと目論んでいたんです」

たくらむ安倍氏に対し、橋下氏は自民党総裁選直前の8月、大阪維新の会への合流を呼び掛けた。

  1. 1
  2. 2
  3. 3