謝罪拒否の次は、取材陣締め出し! 大阪場所に影を落とすドタバタ劇についに、あの大物が立ち上がった!

「いつまでも尾を引いていたらいけない」
2月24日、ついに北の湖理事長(元横綱)が報道陣の前で"問題発言騒動"の収束を、こう宣言した。
しかし、張本人である横綱・白鵬(29=宮城野部屋)はどこ吹く風。3月8日に初日を迎えた大相撲春場所は、場所前から波乱含みだ。
「大阪入り後、初の出稽古で湊部屋を訪れた際も一悶着あった。カメラのフラッシュに苛立ち、"シッシッ"と、ハエでも追い払うかのように左手を2回振り、"ほら、ほら"と言ってはマスコミを追い払ったんです」(ベテラン相撲記者)

その後、テレビ局を除く報道陣を稽古場からシャットアウト。開いていた窓から稽古を見ていた報道陣に気づくと窓まで閉めさせた。
「これまで特定のマスコミを出入り禁止にすることはあっても、報道陣全員を退室させるのは異常。しかも、報道陣は出稽古先の親方の許可を得て取材していた。白鵬はその親方の顔も潰したことになる」(同記者)
今年の初場所、白鵬が"誤審問題"で審判部を批判して以降、騒動は鎮静化するどころか大きくなるばかり。関係者の間で囁(ささや)かれる"春場所後引退説"はますます現実味を帯びてきている。

「白鵬は周囲に"オレはモンゴルで大統領になる"と漏らしているようです」(同)
そんな心境からか、白鵬の暴走は止まらない。
「3日の春日野部屋への出稽古では、たまたま来ていた田子ノ浦部屋の大関・稀勢の里の姿を見つけるや"おまえとは稽古やらない"と呟いたといいます」(同)
稀勢の里は、誤審があったと白鵬が主張した初場所13日目の相手。ダダっ子のような態度に、ある協会関係者は怒りをブチ撒ける。
「そもそも、審判部批判そのものがご法度。執行部としては、史上最多33回の優勝という偉業に敬意を払い、大目に見たわけです。それなのに、このありさまでは、執行部の堪忍袋の緒が切れても仕方がありません。親方衆からも、日増しに白鵬への風当たりは強くなっています」

コントロール不能に陥った大横綱を苦々しく思う執行部の面々が、北の湖理事長や事業部長の八角親方(元横綱・北勝海)。
なかでも、協会ナンバー3の総合企画部長の貴乃花親方(42=元横綱)は、問題の矢面に立たされることとなった。
「昨年の春、貴乃花グループは正式に一門へ格上げされ、この春場所、貴乃花一門から親方が1名、審判部入りすることになりました。ですが、この審判部は"子どもでもわかる"と判定を批判されたことで、現在、白鵬とは一触即発なんです」(貴乃花部屋関係者)

執行部という立場に加え、一門の親方が"反白鵬"の牙城ともいえる審判部入り。さらに、
「貴乃花親方は2008年には審判部副部長、10年には審判部長を務め、当時は"説明不足だ"などと周囲からの批判も浴びましたから、騒動の発端となった審判部には同情的な見方をしているでしょう」(同)
平成の新旧大横綱2人のガチンコ対決が、今まさに始まろうとしているのだ。
実は、貴乃花親方は白鵬に苦言を呈した過去がある。
「10年7月、相撲協会は賭博問題のため、名古屋場所千秋楽で優勝力士に贈られる、天皇賜杯などの表彰をすべて辞退しました。これに白鵬が"自分たちの手で国技を潰す気か"と主張しましたが、貴乃花親方は"協会員の一員として粛々とやっていくべき"とバッサリ切り捨てました」(前出のベテラン相撲記者)

また、貴乃花親方の審判部長時代には名横綱たる自身の相撲道を具現化したような、こんな逸話がある。
「10年の九州場所前、白鵬が連勝記録を重ね、双葉山が築いた69連勝の大記録と並ぶかが注目されていた時期がありました」(同)
順当に勝ち進めば、白鵬が記録に並ぶのは7日目。
場所前から取組編成が話題になっていた。

「審判部では相撲を盛り上げるために上位の力士に当てるべきという声もありましたが、貴乃花親方は平常心にこだわり、"浮わついた取組編成をすべきではない"と主張。7日目の対戦相手は平幕の北大樹(北の湖部屋)に決まりました。結局、白鵬は2日目に稀勢の里に敗れ、63連勝で記録は途切れました」(同)
ここまで平常心を尊ぶ彼が、ここ最近の白鵬の平常心を欠いた言動を苦々しく思っていないはずはない。

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