白鵬に注意できる人がいない

「今や貴乃花親方は、貴乃花部屋をはじめ、阿武松、大嶽、立浪の各部屋で構成されるグループのトップ。協会内の序列では理事長、事業部長に次ぐナンバー3ですが、何か不祥事が起きたら、理事長と八角親方は責任を取って辞任することも考えられます。つまり、事実上、次期理事長候補なんです」(スポーツ紙相撲担当記者)
"将来の理事長"として、相撲界の混乱を収めるのは責務ともいえるのだ。
また、協会内には不穏な空気が漂い始めている。
「北の湖理事長はじめ、誰一人、優勝回数で白鵬に及ぶ者がいません。だから、"白鵬が何をしようが、注意ひとつできないんだ"と陰口を叩く親方衆もいます」(ある一門関係者)

さらには、白鵬の快進撃を快く思わない面々も……。
「白鵬の理想はモンゴル国籍のまま、親方になること。13年に『さんまのまんま』(フジテレビ系)に出演した際も、帰化して親方を目指すのか問われると、"さんまさんから(国籍を)変えなくてもいいように協会に言ってください"と冗談交じりにお願いしたほどです」(夕刊紙記者)
大記録と相撲界への貢献度を盾に、これまでの伝統を変えようとする白鵬。これに反感を持つ相撲協会の人間も少なくないという。

「騒動を利用し、白鵬を相撲界から追放しようという動きも耳にします」(同)
こうした対立に、審判部側にいる貴乃花親方も巻き込まれかねないという。そんな現状に、角界の"ご意見番"こと漫画家のやくみつる氏は、
「そもそも、協会が白鵬を呼びつけて、"カリカリしていて申し訳ありませんでした"と、ひと言詫びさせればいいだけの話。こういうときのために、横綱審議委員会も鎮座しているはず。いったい皆、何を遠慮しているのかという印象です」
さらに、こう続ける。
「もし誰も言えないのなら、白鵬の信奉者であるデーモン閣下あたりに意見してもらうしかないですね。実は、デーモン閣下と春場所の中日(15日)に、トークライブをやる予定で、当日、デーモン閣下をけしかけてみようと思っています」

暴走を続ける白鵬に、誰が鈴をつけるのかが注目の的だが、相撲通で鳴るフリーアナウンサーの大野勢太郎氏はこう期待を寄せる。
「貴乃花親方が言い聞かせれば、白鵬も聞く耳を持つはず。優勝回数なんて関係なくて、問題は理念があるかどうか。貴自身、今の白鵬のようにマスコミに追いかけられた経験もあるし、その経歴に一点の曇りもないからこそ、できる仕事です」
将来の理事長・貴乃花親方の説得で、白鵬騒動も最終決着と相成るか――。

「白鵬は10年の理事選で貴乃花親方が当選した際に"自分も投票権があれば入れていたと思う。貴乃花親方は憧れの横綱"と語っていますからね。貴乃花といえば、01年の夏場所千秋楽で、右膝半月板を亜脱臼しながらも、奇跡の優勝を遂げた取組が、今も"平成の名勝負"と讃えられています。満身創痍でも勝つという、白鵬も未到の相撲の境地を知る貴乃花親方なら、白鵬に謝罪を促すこともできるはず」(ベテラン相撲記者)
騒動収束に期待したい。

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