昨季、リーグ制覇を果たしながら、クライマックスシリーズ最終ステージで阪神にまさかの4連敗を喫して敗退した巨人。今季、リベンジに燃えるナインの中で最も注目されるのが、エースの菅野智之(25)だろう。
「CS敗退の"戦犯"ですからね。開幕6連勝を飾り、12勝5敗、防御率2.74の成績を残したチームの大黒柱が、CS最終ステージ直前の10月に右肘靱帯を痛めて離脱。今季絶望の報を受けた際、原監督はがっくりと肩を落としたといいます。菅野本人も"情けない。来年はチームを日本一にする"と悔しがっていました」(スポーツ紙デスク)

オフにハワイなどで自主トレを行い、体力強化に取り組んだ菅野。肘の回復は順調――そう伝えられていたが、キャンプで異変が見られたという。
「この2年間、初日にブルペンに入っていたのに、今年はなぜか2日目からでした。番記者の間でも"あれ?"と話題になりました。どうも、菅野自身が自分の状態に不安があったようで、確認しながら投げている印象でした。2月15日に紅白戦で投げたんですが、連打を浴びて失点するなどイマイチの出来。ある球界OBは"球にキレがない。フォームが崩れている"と指摘していました」(スポーツ紙巨人担当記者)

そんな不安の声が的中。2月21日のオープン戦初戦の広島戦に先発するや、3回2安打1失点。さらに同28日のヤクルト戦でも3回6安打3失点と、振るわない投球が続いている。
「広島戦では8番でキャッチャーの會澤翼(あいざわつばさ)に、ヤクルト戦では3番指名打者のミレッジにホームランを打たれました。昨年、158イニング投げて12本程度だったのに、6イニングで2本打たれた。オープン戦とはいえ、ストレートは140キロ程度しか出ないうえに、スライダーのキレもイマイチ。昨季とはまるで別人でしたね」(同記者)

菅野の明らかな不調に、コーチ陣も焦りを見せる。斎藤雅樹投手コーチらが菅野に昨年の映像を見せ、フォームの修正を行ったという。
「ただ、難しいのはフォームの崩れが明らかに肘の不安からきていること。ケガそのものは治っても、恐怖から思い切り腕を振れていない。怖いのは、松坂大輔のように肘をかばって投げるうちに、肩を壊すパターンです。菅野の中に、無意識の恐怖があるんでしょうね……」(巨人軍関係者)
敵は、己の中に在り――。

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