好調狙い馬予想 薮中泰人
ゴールドシップに衰えなし!


今週の日曜日は阪神で天皇賞の前哨戦、阪神大賞典が行われる。
今年の見どころは3連覇を目指すゴールドシップと、昨年の菊花賞馬トーホウジャッカルの初対決。天皇賞を占う意味でも重要な一戦になりそうだ。

まずゴールドシップは近走、「ムラ馬」の印象を強くしている。昨年の有馬記念は3着に敗れたが、上がりの速い瞬発力勝負。中団から外を回っての0秒2差は"好走"としていいが、前走のAJCC7着はいただけない。レース後半は流れに乗れず、直線の伸びも平凡だった。衰えの2文字も浮かぶが、この中間の気配は素晴らしい。

短期放牧から2月26日に帰厩。翌日から坂路で乗り込みを開始し、3月4日に2週前追い切り。弥生賞に出走するベルラップの攻めパートナーを務めたが、一杯に追う相手に馬なりで併入。馬場が重いCWコースで6F78秒4の好時計をマークした。

馬体も後ろ脚の張りがよく、柔らかみにあふれた動き。前走の敗戦ショックはみじんも感じさせなかった。前走について騎乗した岩田は「2200だと前半で流れについていけない。もっと長い距離のほうがいい」と話していたが、ゴールドの本質はやっぱりステイヤー。雨続きで重い馬場になっている阪神の3000メートル戦なら今度こそ結果を出す。

菊花賞をレコードで制したトーホウジャッカル。デビューから5か月足らずでのGⅠ制覇だった。4歳の今年はどれだけ成長するのか楽しみだが、今回に関しては中間調教が地味だ。2月3日の初時計から、1週2本の時計を出しているが、時計が詰まってこないのだ。3月4日の2週前追い切りも併走の形を取ったが、4Fは52秒6。昨秋は楽に51秒台をマークしていた馬だから不満が残る。

考えてみれば昨秋はレースを使い込んで調子を上げてきた馬。菊花賞からの長い休養でまだ気持ちが乗らないのだろう。体にも緩みが感じられる。それなら2着争いは京都記念で①②着したラブリーデイ、スズカデヴィアスが有力。特に前者は重賞V2と今季は非常に力をつけている。

同じ日曜日、中山では皐月賞トライアルのスプリングSが行われる。2歳チャンプに輝いたダノンプラチナが出走するが、関西馬のベルーフ、リアルスティールの挑戦も楽しみだ。特にリアルはキャリア1戦で重賞を制した大器。福永騎乗で追われた3月6日の坂路追いも52秒8-12秒3を馬なりでマーク。勝てば無傷の3連勝。皐月賞の最有力候補になる。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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