西洋の「名刺」の起源とされているのは、16世紀初めに登場した「visiting card」で、やはり不在の訪問先に置いてくるものだった。また、17世紀初めにはイギリスでは、仕事で顧客に渡すために「business card」が使われていて、こちらはショップカードのように店に置かれていたそうだ。

日本の「名刺」の始まりは、平安時代の「名符(みょうぶ)」とされていて、貴族などに仕える者たちが、自らの姓名や官職名などを記入して提出する札のことだ。江戸時代になると、懐紙に名前などを記入して、中国や西洋と同じように、不在の訪問先に置いてくる習慣が一般化した。明治時代には西洋風のカードタイプの「名刺」が作られるようになり、現在のような形になっていく。なお、日本で初めてカードタイプの「名刺」を作ったのは、幕末の遣欧使節の団長だった池田長発(ながおき)で、フランスで作っている。

ちなみに日本では出会ってからすぐに交換するが、西洋では別れ際に氏名、住所、連絡先などの確認のために交換することが多いとか。国によってビジネスマナーも様々なようだ。

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