田代まさしがすべてを語る!!「芸能界復帰からASKAまで」の画像
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覚せい剤取締法違反による3年半の服役を終え、昨年7月に府中刑務所を出所した元タレントの田代まさし(58)が、薬物体験、刑務所生活、リハビリの日々を綴った『マーシーの薬物リハビリ日記』(アース・スター エンターテイメント)を出版する。
これを記念したイベント&出所報告会見が、3月18日に阿佐ヶ谷ロフトA」(杉並区)にて開催された。

現在、田代は「日本ダルク」という薬物依存者回復支援施設に入り、“回復プログラム”を受ける日々を送っているという。

田代 この本を出すということで、ネット上で『田代が芸能界に復帰』と捉えられていますが、それは僕の本意ではありません。ダルクでプログラムを受けるうちに、自分の回復になにが必要なのかを勉強し、その回復のために必要なのは『仲間たちの手助けをする』、そして『仲間たちと共に歩む』ことだと勉強しました。そして仲間たちの力になるため、薬物に手を出しそうな人の歯止めにするため、この本を出しました」

ちなみに、気になる“ろれつ”について。声の力強さは感じるが、ところどころで舌がもつれるように感じるのだが……。

田代 「前回の出所記者会見の際は出所してまだ7日目で、ろれつも回らず、手も震え、その様子に『まだ怪しいんじゃねえか?』という声もあったんですけど、皆さんに言っておきます。クスリを使うと、僕、滑舌が良くなって、手の震えが止まります。逆です。僕は元々緊張しいなんで、震えたり滑舌が悪くなることは、僕の中ではしょうがないことかなと思っています」

ここからは「日本ダルク」の近藤恒夫代表を混じえての、質疑応答へ。

――「日本ダルク」というのは、どういう施設なんですか?
近藤 薬物依存に陥った人たちが入り、その当事者がまた新しく入ってきた人たちを手助けしていくような場所です。当事者がどんな時に困っているのか、瞬時にわかります。またなにか問題があっても、取り締まり要請に協力することはありません。あくまで、当事者を回復に導く。警察の役割を担うわけではなく、ただ単にクスリに苦しみ、やめられない人がいたら、その手助けをしていくということだけです」

――そのダルクで、田代さんはどんな活動をしているのですか?
田代 「日々、ダルクのスタッフとして、事務所のお掃除をしたり、コーヒーを淹れたり、かかってくる電話の対応をしたり、近藤代表と一緒に全国のダルクを回って僕なりのメッセージを届けて、みんなの力になれれば……という活動をしています」

――前刑から出られた時は「ダルクへ行くのは抵抗がある」と仰っていましたが、どのような心境の変化があったのでしょうか?
田代 「前刑から出た時は『クスリから離れたい!』という思いが強かったです。『自分の強い意志でやめていくから、そういうことには触れたくない』という思いが強かったんです。最初のうちは『ヤク中の人たちがいっぱいいる施設にいて、本当に治るのかな?』と半信半疑でした。しかし、そうではなかったです。同じ依存症で苦しむ仲間たちが頑張ってる姿を目の当たりにし、すごく勇気をもらえるし、そういう人たちへ僕も逆に勇気を与えることができるし、そういう所なんだなとすごく実感しました」

―――リハビリについても書かれている今回の本ですけど、本の内容を簡単に紹介してください。
田代 「あんまり触れたくなかった部分もあったんですが、“ありのままの自分”をさらけ出すことが重要なんだと、ようやく正直になれました。ちゃんと薬に向き合い、事件の事や刑務所の事、ダルクでどんなリハビリをしてるのかという事を、自分なりに少しライトな感じで書いたつもりです。この本を同じ薬物で苦しんでる仲間たち、これから手を出してしまいそうな人たち、たくさんの人たちに読んでもらえたら嬉しいし、逆にメッセージを届けることが俺の回復にも役立つので、すごくいいことだなと思っています」

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落ち着いた話しぶりの田代氏。右は近藤代表


――出所されて何ヶ月も経ったわけですけども、今改めて薬物の怖さっていうのはどんなところでしょう?
田代 「毎回、捕まるたびに『今回でやめよう』と思ってたんですけど、そんな自分の強い意志とかそういうのが全く役に立たないというのが薬物の恐さっていうか。僕は何回も事件を起こし、そのたびにいろんな人を傷つけて、家族も失って、お金も失って、信用を失って、友達も失って、そんな思いをしてでも、またしてしまうというのが薬物の恐ろしさではないのかなと思います」

――それは接触してくる悪い人がいるからなのか、自分の意志が弱いからなのか、どっちなんでしょうか?
田代 「接触してきた人に対して『僕は大丈夫です』」と言えればいいんですけど、物を見ると『やりたい』と脳が動いてしまう。わかりやすく言うと、梅干しを見るとツバが出ちゃうのと同じ感覚で、接触して来た人に物を見せられちゃうとスイッチが入って『1回だけならいいかもしれない』って考えてしまうのが薬物の恐さです」

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