レスラーとして現役を引退後も、その抜群の知名度とカリスマ性で、プロレスや格闘技会だけでなく、国会議員としても光を照らし続けるアントニオ猪木。
先日発売された「俺たちのプロレスvol.3(双葉社スーパームック)」では、記者4名がそれぞれ自分のなかの「平成のアントニオ猪木 ベストバウト」を選出。

猪木ファンの心を鷲掴みにしたタブロイド紙『週刊ファイト』元副編集長が選んだ試合とは!?


1995年4月29日
平和のための平壌国際スポーツ・文化祭典
○アントニオ猪木●リック・フレアー
14分52秒
延髄斬りからの体固め

アントニオ猪木が力道山を超えた一戦

19万人の大観衆を飲み込んだ北朝鮮・平壌のメーデースタジアムは闇に包まれた漆黒の中、煌々と照らされたリングだけが浮かび上がった。「まるで宇宙。いや、ブラックホールですよ」。そう言ったのは馳浩だった。リング上から何をアピールしようと暗闇に吸い込まれる。時折、技にかなり遅れて不気味な「ゴーッ」という音がひと塊になってリングに押し寄せる。
誰もがやりづらいリングでアントニオ猪木vsリック・フレアーの初対決が実現した。
ナックルパートの連打、デッドリードライブ、ドロップキック……猪木が技を出すたびにほかの選手が圧倒されたブラックホールの反応が早くなる。ついに猪木の手拍子に合わせて大手拍子が起こった。19万人が猪木に魅了された瞬間。
橋本真也は「オレらがどんな凄い試合をしたって猪木さんはそれを凌いじゃう」と驚嘆。そして「猪木さんは今日、力道山を超えた」とうなった一戦だった。

●選者= 波々伯部哲也
『週刊ファイト』元副編集長。猪木信者であったI編集長こと故・井上義啓編集長に師事。平壌で行われた「平和のための平壌国際スポーツ・文化祭典」をライブで目撃した数少ないひとり。


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「俺たちのプロレスVOL.3 平成のアントニオ猪木」(双葉社スーパームック)

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