酸化LDL検査を受けるべし

一方、突然死の前兆を見逃してはならないと言うのは最近、『いきなり死ぬ人死なない人』(セブン&アイ出版)という、突然死予防の本を上梓した「岡部クリニック」(東京・銀座)の岡部正院長(医学博士)だ。
「胃痛、歯痛、肩こりも、実は突然死の"前触れ"のことがあるんです。ほかにも"何となく疲れやすい""階段を上っただけで息切れする"も要注意です」

そうは言っても、こうした症状は、ほかの不調や病気のときでも出る場合がある。判断しづらい人は「酸化LDL」検査を受けるべきだと、岡部氏は言う。
「酸化LDLは、血管を詰まらせる"主犯"のLDL(悪玉)コレステロールの中でも最悪のもの。文字どおり、LDLが酸化してしまったものです。そして、突然死の6割以上を占める心臓病、2割近くを占める脳卒中は、この酸化LDLが主犯で起きる血管性疾患なんです」
この検査、どこの病院でもやっているわけではないが、動脈硬化の専門医のところなら、数千円でやってくれるという。

表の診断項目に中性脂肪が高い、メタボ気味、糖尿病が挙がっているのは、酸化LDL値が高い場合が多いからだ。
では次に、食生活を見ていこう。主食(ご飯)を減らすことは、最近、流行している糖質制限ダイエットにつながるし、いいことだと思われがちだが、
「糖尿病の人が行うと減量しやすく、血糖値が改善するケースが多いのは事実です。でも、炭水化物さえ控えればいいと考えて、好物の肉を食べ過ぎると、逆に心筋梗塞や脳卒中=突然死が増えるリスクもあるんです」(動脈硬化の専門医)

また、乳製品をよく摂るのも体にいいと思われがちだが、実は「ヨーグルトや牛乳は(前述の)中性脂肪値を上げる」(同専門医)恐れがあるという。
一方、塩は生きるために必須だが、日本人の1日当たりの摂取量は約9グラムと、理想値の6グラムを大きく上回っている。摂り過ぎは血圧を上げて、脳卒中を招くことも。前出の岡部氏は、
「外食は総じて過剰な塩分と油で味付けし、おいしく感じさせています。外食時は野菜類を完食し、ほかは少しずつ、残すようにしましょう。なかでも、揚げ物の衣は外しましょう」
また、砂糖が大量に入った缶ジュース、スポーツドリンク、アルコール(飲酒)は、中性脂肪値を上げるので、できるだけ摂らないほうがいいという。

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