大西洋南西部に浮かぶナウル島にあるのがナウル共和国。国土の面積は約21平方キロメートルで人口は約1万人。このナウル島はアホウドリや他の海鳥の糞が堆積してできたリン鉱石が豊富に存在していた。20世紀初頭にリン鉱石の採掘が始まり、外国へ販売することで国民は豊かな生活を享受した。1980年代には世界で最も高い国民所得を誇り、税金はなく、医療費、教育費は無料。ベーシックインカムなど豊富な社会保障を実現していた。

「働いて金を稼ぎ、生活する」という経験のない成人が数多く存在し、全国民に占める肥満の割合は世界1位で71.1%。全国民の30%以上が糖尿病を患っている。

しかし、1990年代後半にリン鉱石が枯渇。長年国民が労働を経験せず、生活物資も輸入に頼っていため、経済が崩壊した。現在の失業率は90%以上で、基本的なインフラを維持するのも困難なほどになり、各国の援助に依存しているという。

人間誰でも「宝くじに当って左団扇」を一度は想像するだろうが、やはり人間は「適度に働いて、その金で生活する」のが大切なようだ。

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