今年で12季目となる原政権。故障に次ぐ故障で離脱者が続出中。ファンが待ち望む4連覇は無理なのか――!?

これが"盟主"巨人か!? と思えるほどの情けない完封負けだった。
3月15日のオープン戦、対千葉ロッテマリーンズ戦は5対0で惨敗。目を疑うほどいいとこナシである。
「8回までで、たったの3安打。9回に片岡が右安打で出塁するものの、後続は打ち取られてゲームセット。由伸も阿部も振るわずでした」(スポーツ紙デスク)
たまたまではない。今の巨人は、ペナントレース開幕(3月27日)直前だというのに、まったくピリッとしないのだ。

「キャンプ、オープン戦を通じて、投打ともに故障者続出で、一度もベストメンバーでスタメンを組めないまま、開幕を迎えることになりそうです。特に重症なのが、湿りっぱなしの打線です。オープン戦14試合を終えて、チーム打率2割1分5厘、本塁打1、得点40(3月17日現在)。6勝7敗1分という成績以上に、内容が悪いのが気がかりです」(同デスク)
"巨人、大鵬、玉子焼き"と言われた時代の強さは遠い昔の思い出か。本誌が2月9日号で報じたように、やっぱり今シーズン「巨人は優勝できない」ともっぱらなのだ。
"ON砲"で知られるように、巨人といえば超強力な"打"のチームとして知られる。だが、現状はどうだ。

開幕4番の大本命だった村田修一はオープン戦の打率1割5分6厘と絶不調。
12日のソフトバンク戦のあと、とうとう原監督から、
「下で思いきってバットを振ってこい。開幕まで時間はある」
と、二軍での無期限再調整を命じられている。
「村田は打撃練習でも打球がまったく上に上がらず、彼本来のバッティングとはほど遠い状態。あれでは、二軍落ちもやむを得ないでしょう」(巨人担当記者)

今季から一塁にコンバートされた阿部慎之助も、
「キャンプ中に右ふくらはぎを痛めて、大事を取り、別メニューで調整。14日の西武戦で一軍復帰し、ヒットを放ったが、本調子とは言い難い」(同記者)
オフに右ひじと右ひざを手術した長野久義も、二軍キャンプで調整していた。
「12日、手術後、初めて右翼の守備位置につき、シートノックを受け、軽快な動きを見せたが、まだ無理はさせられない」(前出・デスク)

オフに左ひじを手術したアンダーソンは、11日の教育リーグ(日本ハム戦)に出場。とはいえ、リハビリ中とあって、守備にはつかない"特例措置"。
元気なのは、今季からコーチ兼任の高橋由伸、移籍2年目の井端弘和の"今年で40歳コンビ"だけだ。民放局ディレクターが言う。
「オープン戦のチーム本塁打1号は高橋。東京ドームに新設されたホームラン・テラスに叩き込んでいます。しかし、16日、ジャイアンツ球場での全体練習で、その由伸が足の張りを訴え早退。ベテランの2人は、シーズンの最後まで持ちこたえるか、体力的な不安もあり疑問視されています」
"打"の巨人とはほど遠い。

一方、故障者だらけなのは投手陣も同じだ。昨年、7勝に終わった内海哲也は、12日、左前腕部の炎症で二軍落ち。開幕は絶望で、復帰は6月以降になるという。
「杉内俊哉も寝違えを理由に一度、登板を回避しており、中継ぎの山口鉄也も16日の全体練習で背中の張りを訴え、別メニューで調整を続けてます」(同)
ただ、満身創痍の投手陣の中でも、"希望の星"も見える。昨年、12勝を挙げて巨人のリーグ3連覇に貢献し、セ・リーグの最優秀防御率とMVPに輝いた菅野智之だ。今シーズン、2年連続で開幕投手の大役を務めることになった。

が、しかし――、
「昨年10月に痛めた右手中指と右ひじ靱帯は完治したそうだが、本当か。巨人首脳の中にも、"菅野は決して本調子ではない"と指摘する声がある。他球団のスコアラーにも"菅野の直球はもっとキレがあるはず"と首を傾げる向きは少なくない」(球界事情通)
投打とも柱不在。ベテランの野球ジャーナリストは、
「原監督が監督になって12季目になるけど、今年はこれまでで一番、大変なんじゃないかな」
と漏らす始末だ。

  1. 1
  2. 2