好調狙い馬予想 薮中泰人
成長した馬体でキズナが連覇


日曜日に阪神競馬場で行われる大阪杯は今年も好メンバーが揃う。
関東から昨秋の天皇賞を制したスピルバーグに、前2年の皐月賞馬イスラボニータ、ロゴタイプが参戦予定。迎え撃つ関西勢はダービー馬キズナに、昨秋の秋華賞を勝ったショウナンパンドラ、エリザベス女王杯馬のラキシスも出走を予定している。

そんな中、復活Vの期待が高まるのはキズナだ。昨春の天皇賞で骨折。長い休養から復帰したのが前走の京都記念だが、勝てないまでもハナ、クビ差の3着はさすがの脚力だった。

レースは前半1000メートルの通過が61秒2のスローで、後半1000メートルが58秒1、4F45秒7の瞬発力勝負。3角で後方2番手の位置からの追い上げはレース上がりを0秒7上回る3F33秒3で鋭く迫った。当面の相手、ハープスターに先着したし、上位2頭との差は展開だけだった。

中6週と無理のない日程で挑む今回。22キロ増えた馬体は見た目にも立派に見えるが、これが成長したキズナの馬体なのだろう。力感がある迫力ボディは3~4歳時とは雲泥の差である。
前走後の初時計は3月8日の坂路57秒8、以後1週2本の坂路追いを継続。レース2週前の18日には54秒1-12秒5をマークした。

武豊騎乗の1週前追い切り、当週もしっかり追える準備ができている今回は、一度レースを使った効果も期待できる。強敵相手だが昨年に続く大阪杯連覇は必至である。

強力な関東トリオではイスラボニータの変わり身が最も怖い。前走の中山記念そは折からの雨で能力を殺がれたのが敗因だ。レース12日後に美浦ウッドで4F58秒6のあと、18日、22日と乗り込みが丹念。シャープさも加わる今回は本来の競馬を期待していい。

3連単の穴はデウスウルト。昨秋から急激に力をつけていて、前3走の重賞で②③②着。折り合い面が目に見えて向上しており、フルに力を出せるようになった。一気に相手は強化されるが、相手なりのタイプでもあり、人気薄の一発を警戒したい。

同じ平田厩舎のカレンブラックヒルにも怖さがある。
メンバー的に単騎のハナが見込める組み合わせで、久々の勝利になった前走の小倉大賞典では本来の粘っこい先行力も復活していた。
3歳時にはNHKマイルC(GⅠ)を制し、秋には5連勝目となった毎日王冠で古馬をも打ち負かした器だ。前走の勝利がきっかけになり、活気も表面化してきた中間調教。勢いにも乗っている。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

本日の新着記事を読む