理想の死に方といったらやはり「腹上死」だろうか。いや、「縁側でひなたぼっこ中に眠るように」なんてのも捨てがたい。とにかく最期は笑って迎えられるのが本望だが、その笑いがキッカケで死んでしまった人たちがいるのをご存知だろうか。笑い過ぎて死ぬ、いわゆる「笑い死に」ってやつだ。
今回はそんなチョットうらやましい死にざま、「笑い死に」のエピソードを紹介したい。
笑い死にの記録を調べてみると、紀元前までさかのぼる。
古代ギリシアの哲学者クリュシッポスがロバに葡萄酒を与えると、ロバが酔っぱらってイチジクの実を食べようとした。その様子を見て、笑い死にしてしまったと伝えられている。哲学者だけに、ロバとイチジクになにか深い意味を感じてしまったのだろうか。
また、1410年には、アラゴン王マルティン1世が、消化不良にコントロールできない笑いが重なって死亡。1556年にはイタリア・ルネサンス期の作家ピエトロ・アレティーノが笑い過ぎで窒息死なんてのもあって、都市伝説だと思っていた笑い死にだが、その歴史は意外に古かった。