やらせを監視する体制はない

スキャンダルが噴出したのは、トップだけではない。
"NHKの良心"とも言われている人気報道番組『クローズアップ現代』で、なんと、"やらせ問題"が発覚したのだ。
3月19日発売の『週刊文春』で誌上告発されたのは、昨年5月14日に放送された『追跡"出家詐欺"~狙われた宗教法人~』の回だ。
「この番組は、出家すると名前を変更できる制度を悪用し、多重債務者を出家させて、別人として融資を騙し取る"出家詐欺"の実態を伝えたものです。ただ、同番組内で詐欺のブローカーとして紹介された出演者が、"記者に依頼されて、架空の人物を演じた"と同誌に証言。やらせ疑惑が発覚したんです」(夕刊紙記者)

この『クローズアップ現代』はスタートして22年、放送回数3500回を超えるNHKの看板番組だ。
報道を受けて、総局長が「今の時点で、やらせがあったとは考えていない」と一蹴したが、元NHK職員で、現在『NHKから国民を守る党』の代表・立花孝志氏は、こう言う。

「どう見ても、やらせの可能性が高いでしょうね。というのも、NHKはテレビ、ラジオと数波の放送を流す巨大メディア機関で、1日に放送される番組は膨大な数になります。そのすべての番組内容をチェックすることは不可能に近いし、そういう体制は構築されていません。ゆえにやらせがあったとしても、それをチェックできる環境にないのです」

立花氏によれば、明白なやらせではなくとも、過去にNHKの番組内の天気予報で、地名と実際の予報を数年間にわたって、取り違えていたこともあったという。そして、こう続ける。
「天気予報でさえ、こうした実態なのですから、意図的なやらせがあったとしても、気がつかないでしょう」

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