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ベトナム戦争時、前線の兵士に送るためにアメリカ軍は秘密裏にメキシコの麻薬を大量に購入していたという。現在もメキシコの麻薬を買っているのは99%以上がアメリカ人だ。麻薬は金になるため、麻薬カルテル以外の市民社会にも利益をもたらしてしまう。その現実がこの戦争の終結を困難にしている。

この麻薬戦争の主犯はアメリカなのか、それとも人間の欲望そのものなのだろうか?

両方とも密接に関わっていると思う。アメリカにはどこにでも麻薬への需要と欲求がある。使う人も多く、そのための金もある。しかし、このゲームに参加しているのはアメリカだけではなく、コロンビアや他の国だって直接的、間接的に関わっているんだ。

カルデロン大統領はかつて「世界で最もひどい麻薬中毒者を隣人に持つのは非常に大変である」と発言した。アメリカ人は自分たちがメキシコの麻薬戦争に関わっていると自覚している人が非常に少ない。しかもメキシコで殺人事件に使われている銃の多くはアメリカから運ばれている。アメリカでは銃のコントロールが全く出来ていないからだ。

またアメリカ軍も(メキシコ政府を支援するなど)麻薬戦争に直接的に関わっている。非常にいろんなレベルで関わっているのに、「メキシコのギャングが殺し合っているだけでしょ」という言い訳で隠れ蓑に使う人が多い。そんな現状に対する警鐘の想いも込めて、この映画を作ったんだ。


今まさに、メキシコで起きている現実。『皆殺しのバラッド/メキシコ麻薬戦争の光と闇』はその現状を知るための第1級の資料だ。是非自分の目と耳で確かめることをお勧めしたい。

監督:シャウル・シュワルツ Shaul Schwarz

PROFILE
1974年イスラエル生まれ。イスラエル空軍在籍時に写真を始める。除隊後イスラエルとヨルダン西岸の報道に身を投じる。現在ニューヨーク在住。 2004年にはハイチ蜂起の報道により、2つの世界報道賞を受賞。2005年にはガザ回廊の入植者をテーマとした写真でペルピニャンの国際報道写真祭ヴィザ・プール・リマージュで最高賞ヴィザ・ドール賞を受賞。2008年ケニア暴動の報道写真でアメリカ海外記者クラブによりロバート・キャパ賞を受賞。アメリカのタイム誌、ニューズウィーク誌、ナショナル・ジオグラフィック誌などで作品をコンスタントに発表している。2013年、初のドキュメンタリー映画『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』をベルリン国際映画祭にてプレミア上映。

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『皆殺しのバラッド/メキシコ麻薬戦争の光と闇』は4月11日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国随時公開

公式サイト
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