あれもこれも「我々のもの」。危うい自尊心を満たすための哀しい性だと笑うもいいが、事は実害を伴っているのだ!

うららかな陽光を浴びて咲き誇る桜の季節――。
桜はパッと咲き、パッと散ることから日本人の潔さを表すともいわれる。外国からも、その"日本の桜"を愛でようと多くの観光客が訪れているが、世界中でただ一国、日本の桜の代表的品種であるソメイヨシノを「我々のもの……」と、主張する国がある。
「韓国では、済州島などに自生する王桜をソメイヨシノの起源と言い張って譲りません。韓国山林庁の研究機関がDNAを分析した結果、突き止めたというんですが……」(全国紙のソウル支局員)

もちろん、歴史的かつ科学的根拠のある話なら、日本人として聞く耳を持たなくてはならない。
しかし、そもそもソメイヨシノは、挿し木で人工的に繁殖させたもの。自生していることはありえないから、その時点で韓国の主張はアウト。
それを堂々と「我々のもの」と言い張るとは……。
「これまでは、桜とともに同じく日本から伝わった風習である花見が屈辱の日本併合時代を思い起こさせると言われていましたが、実際には韓国でも定着している。さすがに今さら花見をやめさせることはできないため、ひねりだした奇策だとか」(前出の支局員)

こうした例は多岐に渡り、
「何でもかんでも、"我々が起源"という韓国の主張を"ウリジナル"と言います。"ウリ"はハングルで"我々"を意味し、これを"オリジナル"に組み込んだ造語。しかも、国立機関までが、挿し木で増えるソメイヨシノを自生の桜と同じだと主張するんですからね」(同)

官民一体となって推し進める"ウリジナル政策"。韓国の歪んだ主張は、そればかりではない。
花見に欠かせない酒、日本酒(清酒)も韓国起源だというのだ。
「それは明らかに間違いです。清酒の起源は中世の奈良。寺領の荘園で造られた米から、僧侶が醸造したのが清酒の始まり。その酒を"僧坊酒(そうぼうしゅ)"と呼んでいます」(歴史家)

花見で酒……とくれば、当然、つまみが欲しくなる。どこかで海苔巻きを買う人も多いだろう。その海苔巻きにも韓国の魔の手が。
「韓国海苔が日本由来のものであることは周知の事実。ただし、確実にそれを証明する資料がないから、"それなら、我々のものにしてしまえ!"となったようです。今では、海苔どころか、ついこの間まで"ノリマキ"と日本語の発音で呼んでいたにもかかわらず、それも韓国起源だと言い始めているんです」(ソウル在住の日本人ビジネスマン)

しかも、驚くなかれ、寿司そのものすらも韓国と中国由来の食品だとして、韓国の通信社がロサンゼルス在住の韓国人寿司職人の証言を取り上げているのだ。
"SUSHI"が日本を代表する食文化であることは、いまや世界の常識。ところが、"ウリジナル"によると、「日本人は太平洋戦争後に寿司を食べ始めたにすぎない」という話になるのだ。
「浮世絵を見ると、日本人が今で言う握り寿司(江戸前寿司)を江戸時代から食べていたのは歴史的事実」(前出の歴史家)
だというから、まったくのデタラメ。おまけに、寿司につける醤油まで韓国起源と言いだす始末だ。

また、花見で興が乗ってくれば、つい口ずさんでしまう演歌も、韓国のものなんだそうだ。元時事通信社ソウル支局員の評論家・室谷克実氏によると、
「演歌を韓国起源だとする説は、韓国人の歌手を日本で売り出すとき、日本のレコード会社が考え出したキャッチフレーズにすぎないんです」という。

こうしてタネを明かせば、"ウリジナル"の根拠は、すべていい加減なものばかり。室谷氏がこう続ける。
「"ウリジナル"で"なるほど……"と思える根拠があるものは一つもありません。はるか昔、未開の国であった日本に渡来した百済人が、何でもかんでも教えたんだという誤った歴史感のもと、理屈をこねているだけなんです」

確かに、"ウリジナル"の中には、古代朝鮮の百済起源を主張するものが多い。たとえば、日本刀や剣道、武士道などなど。
「古代朝鮮で"戦う男"を意味する"サワラビ"という言葉。その"サワラビ"の魂が日本の侍精神へ発展して武士道になったことになっています」(前出のソウル支局員)

その流れで、"HARA-KIRI(腹切り)"として、世界的に有名になった切腹も、韓国起源だと主張。どうやら、世界で有名になったものはすべて、韓国起源にしないと気が済まないらしい。
「一つ一つ反論する気にもなりませんが、武士道が百済起源だというなら、日本の古代・中世を通じて社会に定着しなければなりません。しかし、群雄割拠する戦国時代に、忠義を重んじる武士道が成立していたら、下剋上という風潮が起きるはずはありませんよ。その反省に立ち、江戸時代になって侍の行動規範として成立したのが武士道。百済とは結びつきようがありません」(前出の歴史家)

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