バヒド・ハリルホジッチ新監督(62)率いる新生・日本代表がベールを脱いだ。初陣となる国際試合が、チュニジア(3月27日)とウズベキスタン(同31日)を相手に行われたのだ。

試合結果は、各国の強さを表すFIFAランキングが日本より上位のチュニジアを相手に2-0、ランキングが下位のウズベキスタンには5-1と、目も覚めるような圧勝劇。さらに試合後には、監督、選手らが円陣を組んで喜びを共有するなど、このうえないスタートを切った。だが、実は代表内には大きな"地殻変動"が起きていたという。サッカー専門誌記者が言う。
「その象徴が、1戦目のスタメンです。日本の今までの2枚看板である本田圭佑と香川真司、得点王の岡崎慎司を外す一方、代表初召集の選手を起用するなど、アギーレ前監督時代から10人も変えてきました」

後半から途中出場した本田は、1ゴール1アシストと大活躍を見せたが、
「2戦目では、これまで本田の"特権"だったフリーキックやコーナーキックを蹴る権利を、ハリルは剥奪しています」

絶対的エース・本田を追い出す方向なのか? 実は背景には、ハリルが考える日本代表の"今後の方向性"があるという。独自の語り口で人気のサッカー解説者・玉乃淳氏が解説する。
「アギーレジャパンは、"枠"を決めて流動性を少なくする"スマートサッカー"でしたが、ハリルジャパンは完全に別。とにかく走ることを求める"どんだけ走んだよサッカー"です」

走ることと並ぶ大きな変化は、"特別な選手"を必要としないこと、と玉乃氏は続ける。
「ハリルは選手交代で試合展開に変化をつけるタイプのため、ピッチ上に"王様"を作らない。だから本田ですら、スパーンと交代させるでしょう。実際、代表最多出場の遠藤保仁選手は、ハリルになってから未招集で、今後も呼ばれないと思います」

これまでと方向転換し、結果を出した日本代表。だが、心配な点もある。
「今回は、選手を何人交代してもよかったので最後まで持ちましたが、短い期間に何度も試合があり、交代にも制限があるW杯だと正直、持つのか疑問です。まあ、だからこそ、選手には90分、いや、120分走れるタフさが求められるし、練習試合もガチバトルになるでしょうね」

気になるのが、今後中心となる"戦える選手"が誰か、ということだが、
「まずは昨年ブレイクした武藤嘉紀(よしのり)。タフだし、フィジカルが強い。それに、常に前を見ている山口蛍と青山敏弘のボランチ2人も中心になりそうです」

若い世代の選手も混じりますます楽しみな日本代表。
キーマンたちの活躍に注目したい。

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