3月から「EX大衆」で新連載を始めました。タイトルは《プチ鹿島の「川口浩探検隊」探検隊 》。
昨年出版した「教養としてのプロレス」(双葉新書)の担当編集とまたタッグを組んだのです。
もうここらへんでピンときた方もいるかもしれませんが、当時の「プロレス」と「水曜スペシャル・川口浩探検隊シリーズ」ってどこか立場が似ているのです。
少年の私はどちらの番組もドキドキしながらテレビの前に座って見た。「探検隊」は俳優の川口浩が隊長となり、未知の生物などを探しに世界の秘境へゆく内容。
全力でテレビを見ていた。どれぐらい全力かと言えば、大人になったら絶対になりたくない職業が「テレビ朝日の局員」だった。危険な動物が次々に襲いかかるジャングルに派遣されるテレビマン。私は水スペに夢中になればなるほど「絶対テレビ朝日には入らない」と心に決めた。関連の制作会社も含めて。
そんな「探検隊」の思い出の回はたくさんある。なかでも「謎の原始猿人バーゴンは実在した!」にはたまげた。探検隊は原始猿人を本当に「見つけた」のだ。
私は翌日の新聞が待ち遠しかった。しかしその歴史的ニュースはなぜか載っていない。念のために図書館にも出かけて各紙を調べたがどこにも報じられていない。いったいなぜ。こんな不思議な気持ちになるのはアントニオ猪木のタイトル戦をなぜ新聞は報じないのか?という疑問以来だった。
そして次第に気づく。自分で夢中でみているものが多くの「大人」(世間)にはあまり相手にされていないことを。