海の向こうでの彼らの活躍を目にし、耳にするたびに、心が熱く燃え盛る。日の丸の誇りを背負い、今日も勝つ!

世界一の名門チームの開幕試合に、日本人投手が先発する。想像もできなかったことが、現実になった。
4月6日(現地時間=以下同)、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大は、開幕戦の対ブルージェイズ戦に先発。まっさらなマウンドから、2015年シーズンの第一球を投じた。
「初球はスライダーで、2球目、3球目は沈む球.スプリット。強打者のレイエスを三球三振に切って取りました」(スポーツ紙記者)
出だしは順調だったが、田中は3回に崩れて5点を失い、4回を終えて無念の降板。開幕戦の結果は、1本塁打を含む5安打5失点(自責点4)となった。

この日の全82球のうち、田中が最も多く投じたのはストレートで27球(32.9%)。次いでスプリットの26球(31.7%)だった。
「昨季全体でストレートが40.6%、スプリットが25%でしたから、変化球が明らかに増えています」(スポーツジャーナリスト)
また、同じストレートでも、球速が出て球筋の真っすぐなフォーシーム中心から、打者の手元でシュートしながら沈むツーシーム中心へと、投球スタイルを変えようとしている。

実際、開幕戦で田中が投げたフォーシームは7球で、150キロを記録したのは2球。これに対し、ツーシームは20球だった。
「昨年の右肘内側筋靭帯の部分断裂という故障が影響しています。自身の手首の腱を肘に移植するトミー・ジョン手術をマー君は回避したので、肘への負担を減らそうとしているんでしょう」(全国紙運動部記者)

肘の故障は変化球の投げすぎのせいという印象があるが、大リーグ研究家の福島良一氏は言う。
「近年、トミー・ジョン手術を受ける投手が急増している原因は、球速を意識しすぎることだと考えられています。事実、速球投手こそ肘の怪我が多いんです」
続けて、
「先発投手が100球を全力で投げるのは不可能。ここぞ、というときだけ全力を出すことが必要ですね」
と語る。

KOこそされたものの、開幕戦の田中の投球で光ったのはスプリットだった。
「驚くほど落ちていました。打者には悪夢のような球ですよ」(夕刊紙デスク)
ヤンキースのロスチャイルド投手コーチも試合後、
「今日はスプリットが本当に良かった。誰もがそう思っているよ」
とコメントした。

剛速球のイメージが強いが、田中の持ち味は多彩な持ち球と抜群の投球術。伝家の宝刀.スプリットで、打者を翻弄するはずだ。
ヤンキースが所属するアメリカン・リーグで20勝超えを記録したのは、13年のシャーザー(当時タイガース。現ナショナルズ)の21勝が最後となっている。
「シャーザーも12年からツーシームを投げるようになり、投球の幅が広がりました。落ちる球のチェンジアップも有効に使い、高い奪三振率を誇る投手なので、マー君に共通する点がありますね」(前出のスポーツジャーナリスト)

ちなみに、シャーザーはエリカ・メイ夫人とのおしどり夫婦で知られる。献身的なマー君の妻.里田まいもそうだが、大投手には内助の功が不可欠なのだ。
始まったばかりの2015シーズン、田中が最高の輝きを見せる!!

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