並みいるスターたちの中でもひときわ輝くその個性。笑顔のままで放たれるその痛烈な言葉に人は笑い、震える!

今、一人のモンスターが芸能界を闊歩(かっぽ)している。その名は蛭子能収。現在、67歳の漫画家だ。
この蛭子さんが現在、"視聴率男"として、テレビ各局から引っ張りダコになっている。きっかけはテレビ東京の『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』だった。
「太川陽介さんと蛭子さんと女性ゲストの3人が路線バスで目的地を目指す、という内容。正直、地味という印象でした」(制作関係者)

しかし、07年10月の第1回放送が12.7%の高視聴率。続く第2回が15.2%と驚異的な数字を叩き出し、その後も年2〜3回のペースで放送され、今年1月の第19弾まで、平均で11.5%を獲得している。制作関係者が続ける。
「人気の理由は、蛭子さんの自由すぎる振る舞い。旅先の食堂で、海鮮が名物だと言われても、一人だけ"魚は食べたくないな〜"と、トンカツを注文するなど"お約束"を一切気にかけないんです」

以前からテレビ出演はあったものの、同番組での活躍で再ブレイクし、芸能界屈指の"数字を持つ男"として認知された蛭子さん。言動も奔放そのもので、ゲストのさとう珠緒が"私は今、湖畔の女なの"と言うと"この人、精神状態がおかしくなってる"とひと言。いつも笑顔なだけに、その"毒舌"の衝撃も強烈だ。
「蛭子さんは著書『芸能界蛭子目線』(竹書房)の中で、現在、飛ぶ鳥落とす勢いの坂上忍、有吉弘行について書いているんですが、それが赤裸々すぎる、と評判なんです」(芸能プロ関係者)

たとえば坂上忍は、
〈すごいテンションでやってますよね。でもカメラが回っていない時は、すごく静かな人ですからね。今のキャラは演じていらっしゃると思いますよ。〉
さらに、
〈景気づけるためなんでしょうけど、少しお酒を飲んで本番に臨んでいるところも何度か見ましたよ。〉
と同書の中で暴露。

有吉に関しても、キャラ変更の瞬間を目撃したと主張。番組で、アイドルの堀越のりに対し「ブス」「ブス」と連呼する有吉を見て、こう書いているのだ。
〈有吉さんがキャラを変えようとしているのは間違いない〉
〈芸能人生き残り作戦に出たと私は思う〉
〈問題は彼のやさしい顔である〉
〈彼のセリフにはどことなく無理矢理感が漂うのだ〉

さらに続けて、
〈芸能人ってみんな、多かれ少なかれ演じてるんですよ。仕事ですからね。〉
ぶっちゃけすぎにも、ほどがあるのでは……。

また、映画に参加した際の脚本の読み合わせで、感情を込めて読む鈴木京香に対し
〈恥ずかしくないんだろうか〉
と、これまた率直すぎる感想を述べている。

タブー知らずの蛭子さんは、芸能界の厳しい上下関係にもバッサリ斬り込む。番組収録前、先輩の楽屋に挨拶に行く慣習について、著書『ひとりぼっちを笑うな』(KADOKAWA)で、
〈正直なところ面倒くさい〉
と一刀両断。

ビートたけし、タモリ、明石家さんまにも挨拶に行かず、楽屋で競艇の予想をしている、と告白した。
「蛭子さんは一人で楽屋で過ごしたいし、自分がされたらイヤなことは人にしない、という信条から、人の楽屋に挨拶に行かないんですよ」(テレビ局関係者)

蛭子さんは同書で、芸能界の華やかな一面にも、鋭く疑問を呈する。

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