自分の意見を主張しないこと

〈芸能人の人って、みなさん高い腕時計をしていますよ。この人、僕より明らかにお金を持ってないだろうなっていう人でも、平気で高級腕時計・ロレックスを買ったりする。〉(前掲書)

続けて、
〈いま僕がしている腕時計は、32歳でダスキンを退社するときに、他の社員の人たちから餞別としてもらったものです。日本製の普通の腕時計ですよ。〉
耳が痛い芸能人も多いのではないだろうか……。

「女性にモテたいとか、お金がほしいというギラギラしたところが、まったくない。世の中が世知辛くなると、蛭子さんの人気が高まるような気がします」
と指摘するのは、蛭子さんとつきあって35年という漫画家の杉作J太郎氏だ。
「誤解している人も多いと思いますが"蛭子さんは芸術家だ"という目で見たほうがいい。多くのことが理解できると思います。自分の絵に関しては、とてもプライドが高いですしね。ダ・ヴィンチやゴッホに似ていると思います」
と、世界の偉人の名前まで飛び出すではないか!

人を安心させる笑顔の下にある、底知れぬ正体……空恐ろしくなってきたところで、蛭子さんご本人に登場していただこう。

――お忙しいですか?
「今、テレビは月に15〜20本。連載雑誌は8誌くらいですかね。でも、週1は必ず休むようにしてます。大好きな競艇と、映画観てるときが一番楽しいです」

――テレビの仕事で心がけていることは?
「ディレクターの指示どおり動くこと。自分の意見は、あまり主張しないです」

――仕事の好き嫌いは?
「嫌だったのは、ドッキリとか高い所とか絶叫マシンに乗ること。よかったのは、CMや生放送の仕事。時間どおり、きっちり終わるし」
と、ひょうひょうと答えてくれたのだった。

「お金にガツガツせず、媚びたりもしない。男らしいんです。本当は、みんなが心の中で蛭子さんに憧れているんじゃないでしょうか」(前出の杉作氏)

今日も笑顔を振りまきつつ、蛭子さんが行く!

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