見ててワクワクするバッター

実は、今年の筒香を覚醒させたのは、あの松井秀喜氏だという。
シーズン前にDeNAの宜野湾キャンプを訪れた松井氏は、筒香のバッティングを見て、
「スイングが力強い。自分が同じ年齢の時を考えれば、彼のほうが柔らかく逆方向にも打てる。自分は引っ張り専門だった」
などと発言し、筒香を絶賛していたが、
「実はこのとき、筒香は直接、打撃についてと、練習の心構えについて、松井を質問攻めにしたといいます」(前出のデスク)
筒香はこれまで、いろいろな打撃フォームを試してきたが、最終的にたどりついたのは松井型のスイング。

左の大砲の代表格の松井氏と話すことによって、筒香は自分が、今までやってきたこと、現在、大村巌打撃コーチとともに取り組んでいることに「間違いはなかった」と確信を持ったという。そして強い気持ちで、シーズンに挑み、それが好結果をもたらしているというわけだ。

そんな彼は"信念の人"でもある。
「彼は高校野球の名門・横浜高校の出身ですが、もともとは和歌山県生まれ。関西の有力校からの引き合いもたくさんあったのに、自分から進んで、横浜高の練習に参加したという変わり種。彼のバッティングをひと目見た、当時の監督や部長が仰天して、即座に入部が決まったと言います」(スポーツ紙デスク)

高校側のスカウトではなく、自らの信念で横浜高にやってきたのは、後にも先にも筒香一人。こうした信念の強さが、ここにきて彼を開花させたのだろう。
そんな筒香に、金村氏はこうエールを送る。
「見ててワクワクするバッター。偉大な松井を超えるのは難しいが、彼なら不可能ではない」
中田と筒香は、それぞれパの右の強打者、セの左の強打者として、かつての松井・清原のような存在になっていくことは間違いないだろう。もちろん、二人とも次のWBCを戦う侍ジャパンの中心メンバーとなることも確実。

今年11月、侍ジャパンには世界ランキング12位以上の国で「野球国力」を競う、「WBSCプレミア12(仮称)」が控えている。
「4番候補はあいつしかいない」と小久保監督がゾッコンなのが中田翔であるのは周知の事実だが、若武者・筒香の成長次第では、その座は必ずしも安泰ではない。
「日本代表の4番」にふさわしいのは、中田か筒香か? シノギを削る二人から目が離せない。

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