すでに4か月が過ぎた2015年。ここまで、数多くの事件、人物が世間を騒がせてきた。我々が笑い、怒り、驚き、呆れた出来事の数々を、あの男がバッサリぶった斬る。
08年に、1週間で最も生放送に出演する男としてギネスに登録されたテレビの申し子・みのもんた。
古希を迎えて、ますます意気軒昂な帝王が、ニッポン列島の森羅万象を、おもいッきり、一刀両断!


――まずうかがいたいのは、3月27日の『報道ステーション』(テレビ朝日系)での古舘伊知郎(60)と元通産官僚の古賀茂明氏(59)の"生喧嘩"。生放送で「官邸からバッシングを受け降板する」と語る古賀氏に対し、古舘が「承服できない」とやりあった一件です。

「そうねえ……ああいうことは、僕が司会をやってたときもたくさんありました。古舘は古賀さんをそこまで追及しなかったじゃないですか。優しいからだろうね。僕なら、やりますよ。"だったら古賀さん、誰から何言われた。誰でもいいから呼びましょう。テレビの中でやってください"と言って、もう1週番組に出てもらって、相手を呼ぶ。テレビって、両方の意見をちゃんと出して公平ってことになると思いますよ。で、古舘が2人の間に入って、昔よくやってたプロレスの実況中継ふうに、"おっと! ○○が飛んできましたァ!""古賀さんがよけたーーっ!"ってね。絶対面白いよ(笑)。僕なら『珍プレー好プレー』ふうにやりたかったよなあ……。とにかく、僕ならバッシングしたという相手を絶対に呼んでたよね。『朝ズバッ!』『サタデーずばッと』(TBS系)でも、実際に時の人を呼んできたから。たとえば、年金未納問題のときに菅直人元首相に"出てこい""出てこい"と4回言ったら、出てきた。福島第一原発事故では、東電の副社長が最後には出てくれましたよ。本人から聞きたい、と言い続けるわけ。最初はすごく圧力あったみたいよ。"なんだ、あいつは"って。TBSは僕には何も言わなかったけど」

――当時、テレビでのかなり突っ込んだ発言で、しばしば問題になりました。

「そう。それで、僕は月火水木金の毎朝と、土曜日まで出ていて、3年間は昼間の番組も重なってたから。僕はね、『おもいッきりテレビ』も『朝ズバッ!』も、同じ感覚でやりました。『朝ズバッ!』は報道で、昼は買い物客相手だろ、って、バカ言うなよ、生きてる人間にどこに差があるんだって、と思ってやってました。気取っちゃダメ。よく、みんなから"すごいですねえ"って言われるけど、平気だった。疲れないし、楽しいし、お金は儲かるし、ひんしゅくは買う、抗議は殺到する(笑)。あるときなんか、"みのもんたを国会に呼べ"って話も出たらしい。で、どうなったか?"何を言うかわからないから、やっぱり止めとこう"って。ホントか嘘かわからないけどね(笑)。ただね、今度の『報道ステーション』では別の問題もある。自民党本部にテレ朝とNHKの幹部を呼んだでしょう? 自民党は政権与党で、テレビ局の許認可を握る総務大臣もいる。だったら、これは圧迫ですよ。これを圧迫だと思わないヤツがいたら、バカだね。僕ははっきりいうけど、自民党は"しまった"と思ってるかもしれない。事情聴取しようなんてね」

4月17日、自民党は古賀氏の"官邸からのバッシング発言"について「事実を曲げられて放送された疑いがある」としてテレ朝から事情を聞いた。同時に呼んだNHKからは『クローズアップ現代』での"やらせ問題"で、経営幹部に事情を聞いた。

「NHKの場合、やっぱり、やらせはまずいでしょう。今までも随分とありましたけど、真実じゃないというところで、まずいです。だから、公平な意見を出しといて、なおかつ俺はやっぱりこっちだ、って言うのはキャスターの自由ですよ。人間性ですよね。僕の場合、好みで味方して怒られたりしたけどね(笑)。好みはありますよ、そりゃあ。なんのかんのいったって、俺は安倍晋三さん好きだしねぇ。二度総理になって、ここまで長持ちするなんて、なかなか根性あるなって思うしね。僕が"この人は……"と思ったのが、1回目の総理のとき、世間のひんしゅくを買ってたわけ。で、"世論調査の結果を見ながらお話したい"と言ってたら出たのよ、番組に。早朝。僕、うれしかったの。それで"安倍さん、こういう結果が出たんですよ"って見せたんだけど、人気なくてさ(笑)。失礼だと思ったよ。だけど、怒んなかった。"現実は甘んじて受けます。でも、努力します"って。そう言われたら何も言えないよ。そのとき"あぁ、でけえな"と思ったね」

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