そこで私は「荒川強啓デイキャッチ!」(TBSラジオ)で、3人の専門家(ルポライター・新聞記者・大学教授)に聞いてみた。

同じ質問を3つ。

1・人民武力相の粛清は本当?

2・ロシア訪問のキャンセルをどう見ればいいのか?

3・今、北朝鮮では何が起きているのか 金正恩の暴走か?

この3問、きれいに見解が分かれたのである。

問1の「粛清は本当か」については、「韓国の国家情報院(情報機関)がつかんだ情報だから間違いないだろう」という意見と、逆に「国家情報院はガセをつかまされたのかもしれない」という意見も。北朝鮮が、恐怖政治と発言した韓国大統領を非難したが、粛清については否定しなかったことから「粛清は本当なのでは」という見立てもあった。

問2の「ロシア訪問キャンセル」については、「国を留守にしている間のクーデターが怖いから急遽キャンセルした」という見方があれば、「金正恩の外交デビューはまだ早い。ロシアが発表しただけで北朝鮮は最初から行くつもりはなかったのでは」という見解もあった。

問3の「金正恩の暴走か」については2人が「誰も信じられない不安な証拠かも」と言えば、残りの1名は「そもそも北朝鮮の政治手法はそんなもの」という答え。

専門家でもいろいろ見方が異なる答えで非常に興味深かった。誰が正しいのかわからない。それなら、いろんな角度や可能性を頭に入れたほうがいい。

そういえばアントニオ猪木が北朝鮮の専門家でもあるというのは、なにか非常に示唆的ではないか。

どちらも「底が丸見えの底なし沼」なのである。



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