美和 大阪万博の時は、宗男先生もう東京に出ていらしてましたか?

宗男 中川先生の秘書をやっていました。中川先生に付いて視察できて、VIP待遇ですから見たいとこ行って、中川先生と感激したものです。日本もここまで発展したか! というね。オリンピックや万博は「夢」ですよ。ですから東日本大震災からの復興も含めて、大きなスケールの都市計画でやるべきです。

美和 震災は大変なことだったけれども、更に発展した日本をつくっていく事ですね?

宗男 ちまちました“エコタウン”なんかダメなんですよ。「21世紀の文明は、東日本大震災から始まった」と言われるような気宇壮大な発想で都市造りをすべきなんですよ。世界中の建築家、デザイナーを集めて。

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美和 それを何処(どこ)に?

宗男 被災地の仙台・岩手・福島の3ヶ所です。この3つの県は自然も歴史もある。岩手は平泉の世界遺産。宮城は伊達政宗。「東京に負けてたまるか」とういう反骨精神もある。青葉城を含めて被害にあった石巻・気仙沼をね。福島は脱原発の省庁にするとか。大変なスケールの街づくりが出来ますよ。「自然と科学技術の“バランスと調和”はどうあるべきか?」とういう大きなスケールの復興をして欲しかったが、当時の首相は菅直人でしたから・・・。頭空っぽですから、大きな発想がなかった。

美和 今度のオリンピックは「東京の再開発だけでなくて東北も共に」というお考えですね?

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宗男 日本の凄さ。自然を敬う心。やっぱり日本は八百万(やおよろず)の国なんですから。それと日本の文化道徳や信仰心。或いはお互い助け合う日本人の姿。そういうものを合わせたオリンピックであるべきなんですよ! ただ立派な建物を造るとか、良い環境でプレイするだとかじゃないですね。“日本2000年の歴史の重み”をアピールするべきなんです。

編集 世界中から注目を浴びるわけですから、東京とかお台場の再開発だけではなくて、「東北もあんな震災があったのに、こんな風に復興しました!」と。自然との共生で、新しい形の都市を見せられると良いですね。

宗男 丁度、震災から10年なんですよ。オリンピックがね。10年目で復興というのは、ひとつのけじめですよ。

美和 もともと、前回の東京オリンピックが開催された10月10日は「体育の日」となりましたが、2020年のオリンピックは東京が最も不快な暑い気候の時に開催で、世界中から来る人にそもそも「おもてなし」の精神を欠いているのではないか?という声もあるそうです・・・。

宗男 日程調整なんかまだ出来ると思いますよ。大体ねえ10月10日の「体育の日」を毎年日にちをずらしちゃダメなんですよ(怒)。「成人の日」だって本来は1月15日。「勤労感謝の日」でさえ毎年ずらしてどうするんですか!だから日本はダメなんだ!!ただ金儲けだけですよ。連休にして旅行しやすいとかね。物の価値よりも“文化や歴史。心の重さ”を考えるべきですね。

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美和 “日本を褒めたり叱ったり”忙しいですね(笑)。宗男先生としては「復興」をテーマに大プロジェクトとして応援したいと。2020年がどうなっているかわかりませんが、いろんな文化とか生まれるといいですね。

宗男 東日本の大震災から「21世紀の新たな文明がスタートした」と言われるためにもね。“ただの祭典”だけじゃなくてね。地球温暖化のことも含めて、世界中が自然に対する敬いをしっかりと持つ。そういった「文化・スポーツの祭典」にして欲しいですね!

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美和 ほんとうにそうですよね!


宗男・美和 ズバッと一刀両断「ムネオ先生に訊け!」

キメ


鈴木 宗男(すずき むねお)プロフィール
1948年1月31日生まれ
政治家。北海道出身。拓殖大学政経学部在学中より、故・中川一郎元衆議院議員の秘書を務める。1983年に自由民主党より出馬し、衆議院議員に初当選。防衛政務次官、外務政務次官などを務める。
また1997年には国務大臣として北海道開発庁長官、沖縄開発庁長官を歴任。2002年に自民党を離党。
2005年には新党大地を結成。代表となり、その年衆議院議員に返り咲く。防衛・外交の論客として鳴らす一方、その人情味溢れ、愛されるキャラクターは、歌手の松山千春をはじめとしてシンパが多数。ムネオの愛称でも知られる。
娘は衆議院議員の鈴木貴子。

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