前人未到34もの賜杯を受け、7連覇でその最多優勝記録の更新を目指して奮闘するが、周りは全部敵だらけなのだ!

大相撲夏場所(東京・両国国技館)の初日、横綱白鵬(30=宮城野部屋)が小結逸ノ城(湊部屋)に逆転負けした瞬間、場内に座布団が乱れ飛んだ――。
しかも、翌日の一般紙朝刊の一面に「白鵬、初日に土」の文字が躍る異例の扱いとなった。

白鵬が初日黒星となるのは、2012年夏場所以来、3年ぶりの異常事態だったからだ。「白鵬が負けた姿を見て思い出したのが、1991年のあの日のこと。時も同じく夏場所の初日、最強横綱と言われた千代の富士(現九重親方)が当時、まだ平幕だった貴花田、今の貴乃花親方(元横綱)に敗れ、引退を決意したからね」

この日、国技館を立ち去る相撲ファンの男性はしみじみ、そう語っていた。
その白鵬、今年に入って年内引退説が囁かれていたものの、先場所(大阪場所)で優勝し、千秋楽のインタビューで、「大阪の皆さん、また来年会いましょう」と、自ら引退説を否定。
さらに、夏場所が始まる直前、東京・高島屋のイベントに出席、
「(2020年の)東京五輪まで頑張れば、開会式で(横綱として)土俵に上がれるんじゃない?」
と壮大な野望をブチ上げていた。だが……。

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