「年齢的に考えて、東京五輪まで今の地位をキープするのは不可能。白鵬があえてそう言ったのは、逆に引退を意識しているからだよ」
と、ある親方が本誌に耳打ちする。

大鵬(元横綱)の記録を抜く34回の優勝をなし遂げ、今場所、35回目の賜杯を受けるべく、前人未到の2回目の7連覇を目指す最強横綱だが、黒星発進で前途に暗雲が漂い、再び引退の噂が囁かれ始めたのだ。
「場所前の時津風部屋への出稽古で、白鵬は同じく出稽古に来ていた逸ノ城と11番取り、全勝。角界では、これを"かわいがり"と呼んでいます。場所前の稽古で有望な後輩力士に実力の差を見せつけ、本場所で相手に恐怖心を植えつけるのは角界の常套手段なんです」(ベテラン相撲記者)

白鵬は逸ノ城に敗れたあと、報道陣に「恩返しされちゃったね」と、表面上は平静を装いつつコメントしていたが、"かわいがり"の相手にパワーでねじ伏せられ、土俵に突き落とされたのだ。
「あんな脆い白鵬は久しぶりに見た」(相撲部屋関係者)という声のほか、相撲評論家の三宅充氏も、こう感想を漏らす。
「白鵬が下り坂に入っているのは、昨年から言われていること。それでも誰も白鵬に勝てなかった。ただ、今場所初日の内容から見てもわかるとおり、隙さえあれば、白鵬に勝てる力士が出てきたということです」

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