白鵬と同じ伊勢ヶ濱一門関係者は、こう見る。
「長らく一人横綱として支え続けてきた疲れが、一気に噴き出したことが一つ。それから、あとは稽古不足です」

その"限界説"に加えて、白鵬に引退を迫る「包囲網」が、引退説の再燃に大きく関係しているという。
「逸ノ城に敗れたのも、実は、その包囲網と関係しています。横綱(白鵬)の黒星発進の背景には、角界の中で孤立している横綱の姿が見え隠れしているんです」(協会関係者)
いったい、どういうことなのか。
「白鵬はもともと、内弟子を連れてくるほど将来の親方業に意欲的でした。一方、白鵬が尊敬する父(モンゴル初の五輪メダリスト)は白鵬の帰化に反対しています。つまり、協会が親方は日本国籍に限るという規定を改正しない以上、白鵬が親方になる可能性はありません」(スポーツ紙記者)

当初は規約変更を期待していた白鵬だが、協会は規約変更に極めて慎重。「国際化」に反対する親方衆も多く、押し切られた形で昨年7月、北の湖理事長が規約変更はないと言明した。
「一人横綱時代に協会を支え続けてきたという自負があるだけに、裏切られたという思いが強かったんでしょう。それに、いくら勝ち続けても、日本人横綱への期待がかかる大関稀勢の里(田子の浦部屋)との取り組みでは、完全にアウエーの状況に置かれています」(前出のベテラン記者)

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