極東の暴君が、怒りに満ちた異常行動を見せている。
予定では、北朝鮮の金正恩第一書記はロシアを訪問し、5月9日の「対独戦勝70周年記念の軍事パレード」に参加して、外交デビューを飾る予定だったが、
「出席を急遽、一方的に取り止めてしまったんです。理由は不明ですが、パレードを主導したプーチン露大統領の顔に泥を塗ったばかりか、金第一書記にとって初めての"外遊"をフイにする異例の出来事と言えます」(全国紙外信部記者)

しかも、この異変の前には流血も。軍部のナンバー2だった玄永哲(ヒョンヨンチョル)人民武力部長が、"クーデターを企てた"という理由で処刑されたとみられているのだ。
「金正日総書記から後見人としてつけられていた張成沢(チャンソンテク)氏が一昨年に処刑されたとき以来の衝撃です」(同記者)

それだけではない。
5月19日にスッポンの養殖工場を視察した金第一書記は、スッポンの発育状況が芳しくないと激怒。その模様を国営放送で流したのはまだかわいいもので、翌20日には、かねてより進められていた国連事務総長の訪朝を突如、拒否したのである。
「現在の北朝鮮は、過去に例を見ないほどの緊迫ぶり。国内では、ささいなことで関係者の首が飛びかねない状態で、対外的には、国連にもこの態度ですからね」(前同)

あるソウル特派記者は、
「実は、日本での"ある事件"が現在の異常事態に火に油を注いだ可能性があるんです」と危惧する。
それは、北朝鮮からマツタケを不正輸入したとして、朝鮮総連トップの許宗萬(ホジョンマン)議長の次男・許政道(ホジョンド)容疑者(50)らが、5月12日に逮捕された事件のこと。
2006年に核実験を行った北朝鮮への制裁として、日本政府は同国からの輸入を全面禁止としていたが、許容疑者らは北朝鮮産のマツタケ1800キロを中国産と偽って輸入したという。

実は、この事件には「金第一書記をブチ切れさせかねない重大な意味が2つある」(前同)と言うのだ。

一つは、このマツタケ密輸が、北朝鮮にとって外貨を獲得するという数少ない"シノギ"になっていたことで、もう一つは許容疑者の立場にあるという。
「許容疑者は、ここ数年、訪朝が認められていない父の許議長に代わって現地入り。高官や金第一書記へ、収集した情報を伝達するパイプ役だったんです」(同)

つまり、今回の摘発は、北朝鮮にとって資金源と情報網の両方を遮断されたことになるというのだ。
「国内の困窮への不満から、軍部の中ではクーデターや極端な軍事行動の火種がいくつもある。困窮の原因である経況悪化と直結するマツタケ密輸を摘発した日本を、逆恨みしなければいいんですが……」(同)

暴君の尾を踏んだ代償とは、はたして――!?

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