専門家が大予測!「噴火と地震」は日本でまだまだ起こる!?の画像
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最近、急増する大きな揺れに、火山の爆発。今、この列島の地下では、いったい何が起こっているのか――。

今、日本列島で地震と噴火が相次いでいる――。
5月30日の夜、神奈川県二宮町で震度5強を記録するなど、日本全国に大きな揺れをもたらす地震が発生。小笠原諸島西方沖を震源とし、地震の強さを示すマグニチュードは8.1を記録。日本では1885年以降で6番目の大きさとなる巨大地震だった。

立命館大学・太平洋文明研究センター歴史都市防災研究所の高橋学教授は、今回の地震をこう解説する。
「震源が深さ682キロという極めて深い場所で起こった深発地震だったため、幸い津波の被害は免れました。ただ、震源がより浅く、3・11と同じくプレート(地下の岩盤)が跳ね上がるタイプの地震だったら、東京湾を巨大津波が襲っていたでしょう」

同じ30日の夜、鹿児島県の桜島では、今年600回目となる噴火を記録。
「これは、昨年1年間で記録した451回を大幅に上回るペースで、1955年の観測以来、最速のペースで噴火を続けています」(全国紙社会部記者)

これらの前日の29日には、同じく鹿児島県の口永良部(くちのえらぶ)島の新岳が、爆発的な噴火を起こした。
「噴煙は高さ9000メートルまで上り、火砕流が時速115キロの猛スピードで火口から全方位に流れ、島全体の2割に広がりました。6月4日の段階でも活発な火山活動が確認され、再び大規模な噴火の危険性が指摘されています」(同記者)

5月26日には、首都圏で、緊急地震速報が鳴り響き、埼玉県北部を震源とする最大震度5弱(茨城県土浦市)の地震が発生。その4日前には、奄美大島でも震度5 弱の地震を観測した。さらに、箱根山ではGW前から火山性地震が増え、小笠原諸島の西之島は今なお噴火活動を続けている。

このように、昨年9月に御嶽山(おんたけさん)が噴火したことを含め、今、日本列島では異常な頻度で、噴火と地震が続発している状況なのだ。いったい、今、日本列島の地下では、何が起こっているのか――!?
前出の高橋教授は、こう指摘する。
「日本は今、"災害の世紀"に入ったと私は見ています。というのも、"災害の時代"と言われる1000年前の貞観(じょうがん)時代前後に、現代の災害の発生傾向が非常に酷似しているんです」

貞観時代に起こった災害と、近年の災害を比べると、多少、発生の順番に前後はあるが、確かに、同じ地域で発生した災害が多い。
863年に越中・越後地震(2004年の新潟県中越地震)、864年に富士山大噴火、868年に播磨国地震(1995年の阪神・淡路大震災)、869年に三陸沖を震源とす貞観地震(2011年の東日本大震災)、878年に首都直下型地震にあたる関東諸国地震、887年に、南海トラフを震源とする仁和地震が発生している。

「わずか二十数年の間に、ここまでの大災害が頻発した貞観時代と同じ道をたどるとしたら、今後、富士山の噴火、南海トラフ地震、首都直下型地震は避けられないでしょう」(同教授)

また、琉球大学の木村政昭名誉教授は、相次ぐ地震や噴火を受け、こう話す。
「3・11以降、日本を取り巻く海底のプレートと火山活動は、活動時期に入ったと見ています」

木村名誉教授が言うように実際、太平洋プレートが日本列島に近付いてくる速度は年間10センチ程度だったが、3・11以降、3~4倍の速さになっているという。
「その動きについていけないプレートに現在、大きなストレスがかかっている状況で、それが火山の活動を促しているのでしょう」

具体的に、プレートのストレスがどう、火山噴火につながるのか。
「海底プレートの歪みは、結果として火山の火口下にあるマグマ溜まりにまで及び、そのストレスがマグマ溜まりを上昇させ、噴火となるのです」(同)

その一方で、プレートの動きだけが原因ではないと指摘するのは、科学ジャーナリストの大宮信光氏だ。
「太陽の黒点が減少し、太陽の活動が弱体化すると、銀河宇宙線と呼ばれるものが地上に降り注いで、地下のマグマを刺激すると言われています。太陽の黒点が減少した時代を"極小期"と言いますが、マウンダー極小期(1645年~1715年)には、宝永の富士山大噴火や元禄大地震が起きています。現在、その黒点減少期にあたると言われています」

まさに"天と地"双方の異変が列島を直撃しているというのだ。

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