ガンがわかる「発見チャート」公開 これが「危険な身体のサイン」だ!の画像
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死にたくないのは皆、同じ。ほんの一歩、気がつくのが早ければ……と、後悔するのだけは絶対に避けたい!

去る5月28日、2人の芸能人が、がんのため死去した。俳優の今井雅之さん(54=大腸がん)と、女性漫才コンビ『今いくよ・くるよ』の今いくよさん(67=胃がん)。
「今井さんは昨年12月、いくよさんは昨年9月に体調不良で精密検査を受け、がんが判明。しかし、ともにすでにその時点で"末期"だったようで、帰らぬ人になりました」(芸能記者)

元自衛隊員で筋肉隆々としていた今井さんは4月30日に記者会見。末期がんであることを告白したが、やせ細り、声はかすれていた姿を見て、改めて、がんの恐ろしさを実感した方も少なくないだろう。

「今や、日本人の2人に1人ががんに罹(かか)り、がんに罹ったうちの3人に2人が、それで亡くなっています」
と衝撃の事実を口にするのは、米ハーバード大学の元准教授で、がんに詳しい麻布医院の髙橋弘院長。
「早期発見すれば、ほぼ助かるのに、なぜ、それほど致死率が高いのか。それは基本的に、がんはかなり進行するまで自覚症状がないから。気づいたときには手遅れということが非常に多いんです」

これも、がんが"沈黙の病"と言われる所以(ゆえん)だろう。
そのためか、がん検診による早期発見が推奨されているが、なかなか病院に足が向きづらい。
「"マイクロアレイ血液検査"や"腫瘍マーカー検診"など、当院では、採血だけで複数のがんの有無を診断できる検査を実施しています」(髙橋院長)
と、科学の進歩を享受できる時代になった喜びを噛み締めつつ、まずはたった今、本誌を手に取っている読者に、いち早く「危険な身体のサイン」に気づいてほしいという思いから、本特集を企画。全世代必読の「がんが分かる発見チャート」を公開しよう。

その前に、がんの初期症状における大原則の確認だ。
●大原則(1) 腫れ物に注意
がんは「悪性腫瘍」と言われるように、腫瘍=腫れ物として身体に表れる。
「がんは約8年をかけて、1センチ程度まで肥大化します。このくらいの大きさなら、体の深部にできても自覚症状はまず出ませんが、たとえば、甲状腺がんなら喉の前部にデキた"できもの"(塊)として気づき、また、大腸がんなら腫れ物が閉塞症状を引き起こし、便通異常を引き起こします」(産業医の下村洋一氏)
腫れ物、そして、腫れ物の結果の閉塞状態には気を配りたい。

●大原則(2) 出血に注意
がんは他の細胞より、大量の酸素と栄養素を必要とするため、"新生血管"と呼ばれる血管を作る。これは通常の血管に比べて脆(もろ)く、すぐ出血する傾向があるので、血便、血尿、血痰ががんのサインになる。
「私の知っているケースでも、早期の段階で出血が確認され、大腸がんの発見につながった事例があります」(下村氏)

普段の生活、"できもの"と"出血"は大丈夫ですか?
以下、見逃しがちな「危険な身体のサイン」をお伝えしていこう。

●二の腕の痺れ→肺がん
60代のデザイナーC氏は、咳き込むことが増えたうえ右手の二の腕が痺れから痛みへ。最初、筋肉痛だと勘違いし、湿布を貼り続けたが治らず、近所の整形外科へ。だが、骨や関節に異常はなく、呼吸器科を受診し、肺がんと診断を受けた。
「肺の最上部にあたる"肺尖部"にできた肺がんだと、しつこい咳や息切れに加え、神経が圧迫されて、二の腕に痛みが出ることもあるんです」

こう解説するのは、『危険な病気の意外な予兆69』(宝島社)などの著作もある医学ジャーナリストの市川純子氏。
肺がんの場合は胸の痛み、顔の腫れなどの症状が出る場合があることも、お忘れなく。
ヘビースモーカーを自覚している人は要注意!

●酒が弱くなった→肝臓がん
年齢だからと言い訳してスルーするなかれ。これも大事なサインなのだ。
「暴飲暴食が脂肪肝を生み、アルコール性肝炎、そして肝硬変へ移行し、肝機能は低下。重症となると、腹水(腹に水が溜まった状態)、黄疸(両目の下が黄色くなる)に至り、肝臓がんを併発していることもままあります」(医療ライター)
"沈黙の臓器"と言われる肝臓なだけに、倦怠感、食欲不振、お腹の張りといった些細なサインも見逃したくない。

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