子どもの頃、ダスティ・ローデスの名前を先に覚えたばっかりに、ダスティン・ホフマンのことをずっと「ダスティ」ホフマンと言い続けていた。

プロレスファンにとっては映画スターよりもアメリカンドリームだった男・ダスティ・ローデス。
先週「有名人の死」について書いたばかりですが、そのあとすぐローデスさんの訃報が飛び込んできた。69歳。

私がダスティ・ローデスについて今でも覚えている文章は、中学生の時に読んだ「週刊ゴング」だ。
ローデスを評して「アメリカで最もTシャツが似合う男」と書かれていた。

えっ?
正直、そんなに男前にみえない。おまけに既にけっこう太っていた。スタイリッシュに見えなかった。なんでそのローデスが?

「ローデスは決してスマートで美しい肉体を持っているわけではない。そのTシャツ姿がなぜ大人気なのか?」とゴングは書く。
そう、そこ。日本の中学生にとっていちばん不思議なポイントだ。

すると、「腹の出た体型のローデスこそ、中年アメリカ男の象徴的な存在。Tシャツはアメリカンファッションの代表。太っている男にこそTシャツは似合うようにできている」とあった。

そうか、ローデスはあの体型もふくめて「アメリカンドリーム」なのかと気づかされた。
しかも「配管工の息子から成り上がった」というなら、やっぱりTシャツがよく似合うはずだ。
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