大型補強も実らず、最下位に沈むオリックス。救世主として、野球殿堂入り確実の"スーパースター"が凱旋!!

「球団の活発な補強で、申し分のない十分な戦力を与えていただきながら、現時点での成績はただただ私の力不足。私が身を引くことが一番いい方法と、自分の中で決めた」
6月2日、都内で会見を開いたオリックスの森脇浩司監督(54)は、どこか悔しさをにじませた表情で、自らの"休養"を発表した。

勝負の世界は厳しい。野球解説者の江本孟紀氏が、
「あれだけ成績が悪ければ誰かが責任取らなきゃいかんし、誰が取るかといえば監督以外にありえない」
と言うように、森脇監督がチーム低迷の責任を取って辞任すること自体は球界では「当然のこと」と受け止められており、話題は次期監督人事がどうなるかに移っている。
「現在は福良淳一ヘッドコーチ(54)が"監督代行"として指揮を執っているが、来季、監督に昇格すると考える人はまずいません」(野球専門誌記者)

すでにスポーツ紙などでは、オリックスの次期監督に関する憶測が飛び交っている。
「複数のメディアで有力候補として急浮上したのが、米メジャー・カージナルスなどでも活躍したオリックスOBの田口壮氏です」(同記者)
田口氏(45)は、イチローとともにオリックス黄金時代を築いた中心選手。メジャーで2つのチャンピオンリングを獲得した日本人は彼のみで、人望もある。
前出の江本氏も、
「次期監督就任の可能性は大いにあると思います」
と、太鼓判を押す。

ところが、田口氏本人は、自分の名前が取りざたされることに困惑気味のようだ。
日刊スポーツの直撃に対して、彼は次のように答えている。
「いやいや、勘弁してくださいよ。オファーなんてないですよ。今はしゃべる仕事が楽しいし。それに、オリックスはコーチ経験なしで、いきなり監督とかはないと思いますよ」
否定どころか、名前が挙がること自体が迷惑という反応をしたのだ。
ある球界関係者が、声を潜めて裏情報を語る。
「実はね、オリックスの宮内オーナーと田口氏の間に確執があるらしいんだ。真相は不明だけど、現役引退後の田口氏がオリックスのユニフォームを一度も着ていないのは客観的事実。だから、田口監督の線はないと見ているよ」

確かに考えてみれば、これまで田口氏がオリックスのコーチなり、監督に招聘されてもおかしくないチャンスは何度もあった。
岡田彰布監督が退任した2012年シーズン、オリックスが本社創設50周年を迎えた14年シーズン。いずれも、球団は"森脇監督"という地味な指揮官を選び、田口氏をコーチとして招聘することもなかった。

その一方で今、球界ではサプライズ人事がまことしやかにささやかれている。前出の野球専門誌記者は次のように話す。
「宮内オーナーの長年の夢は、イチローを監督に据えること。イチローにとって"メジャー帰りの監督候補"のライバルでもある田口を先に監督にするわけにはいかない、という気持ちが、当然あるのでは」

メジャーに移籍した後も、イチローとオリックスは深い絆で結ばれてきた。
「毎年オフになれば、イチローはオリックスの施設を使ってトレーニングしているし、現在もオリックス銀行のイメージキャラクターという形で、ビジネス上のつきあいが続いています」(スポーツ紙デスク)
当然、オリックス側には"日本に帰ってくるときは監督をよろしく"という思惑があり、「イチローも、そのことは重々承知しているはずで、両者には暗黙の了解がある」(同デスク)という。

同デスクは、さらにこう続ける。
「10年連続200本安打など、メジャーの記録を次々と塗り替えてきたイチローは、もはや、アメリカ野球殿堂入りを果たすことは確実です。現在41歳と、年齢の問題もありますし、いつ日本に帰ってきてもおかしくはない」

とはいえ、イチローの日本球界復帰に際しては、一つの大きな壁がある。イチローには帰国する前に、どうしても達成したい記録があるというのだ。
「メジャー3000本安打と日米通算4257本安打です。3000本はMLBの長い歴史の中でも28人しか達成していない偉大な記録であり、4257本はメジャー通算4256本というピート・ローズの持つ大リーグ記録を上回る世界記録です」(同デスク)

6月11日現在、メジャー通算2880本で、3000本まであと120本。日米通算4157本で、ピート・ローズ超えまで、あと100本に迫っている。
「イチローの実力をもってすれば、決して達成不可能な数字ではありません。しかし、問題はイチローがマーリンズではレギュラーではないこと。出場さえすれば、それなりの結果を出し続けられるんですが、現状はあまりにも出場機会が少なすぎるんです」(同デスク)

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