〈ヤツが帰ってきた〉
〈タナカは依然としてシャープ〉
米・大リーグのア・リーグ東地区首位を走る名門に戻ってきた"エース"田中将大(26)に対し、現地メディアの称賛の嵐が吹き荒れている。
「4月23日(現地時間=以下同)のタイガース戦の先発を最後に、右手首の炎症と右肘の痛みで故障者リスト入りしていたマー君ですが、これで"完全復活"を果たしたと言えるでしょう」(スポーツ紙記者)

6月3日のマリナーズ戦で1か月半ぶりの復帰登板に臨み、7回3安打9奪三振1失点の好投を見せ、今季3勝目(1敗)を挙げると、続く9日のナショナルズ戦でも、3回まで一人の走者も出さない完璧なピッチング。
「4回に強打者ハーパーに強烈なソロホームランを浴びたが、7回をこの1失点のみに封じ込め、5安打6奪三振。2試合連続となるハイ・クオリティスタート(7回以上を自責点2以内)を記録し、チームを7連勝に導きました」(同記者)
大リーグ研究家の福島良一氏によれば、この完全復活劇の理由は「投球スタイルと"気候"の変化が大きい」と言う。

田中は、これまで縦に変化するスプリットを多投してきた。
「それが、肘への負担が大きいスプリットを意識的に抑え、シンカーやカットボールなど、肘への負担も少なく、横に変化する変化球で三振を取るように変わったんです」(福島氏)
昨年の右肘靭帯部分断裂の影響からか、今シーズン初めには球速が落ちたとも言われてい
たが、復帰戦では今季最速の154キロを叩き出し、ナショナルズ戦でも153キロをマーク。変化球だけでなく、ここぞという時の力の入れどころも兼ね備えてきたのだ。
「気候の変化も大きいですね。ヤンキースのキャンプ地フロリダは温暖な気候ですが、シーズン開幕直後の本拠地ニューヨークはまだかなり寒い。この寒暖差が解消されたことで、これからの季節は安定した投球が期待できます」(同)

さらに、福島氏は、「手術の回避は大正解」と続ける。
「肘の靭帯断裂などで損傷した靭帯を切除し、正常な腱を移植して、損傷した肘の修復を図るトミー・ジョン手術が大リーグで"流行"のようになっていますが、すべて成功するわけではなく、失敗例もあります。手術をすれば、どうしてもリハビリに1年近い時間がかかり、シーズンを棒に振ってしまいますからね。実際、過去にも手術回避で成功した投手もいます」
チームの好調とリンクするように、快投を続ける田中。昨年の13勝を超える15勝も間違いない!

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