混濁した意識の中、このヤリマンが悪いと憎しみで一杯になっていた。同時に、死体でもいいからもう一度やりたい、と変な疼きもあった。ぼくは薬物なんかやったことないし、ヤリマンとつき合ったこともない。死体とやりたいなんて冗談じゃない。なのに、強くそんな考えに支配された。思えば隣にいたのは早百合ちゃんの死体で、そのときの考えはイチさんのものだったんじゃないかと思います。
すぐ女の気配は消え、ぼくは部屋を飛び出してバーに行きました。幽霊が出たーっ、と騒いだけど、みんな別の話題で持ち切りでした。氷室先生が捕まったっていうんです。
なんでも、氷室先生は筋金入りのロリコンで、現地の子どもを買いまくってたらしい。安いゲストハウスにいたのは、女の子を買う金を節約するためだったんですよ。まさか先生の中では、それらの行為はボランティア活動だったのか……。
ぼくにとっては日本人同士の殺人やその幽霊より、氷室先生が一番の恐怖ですね」
※この物語はフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません。
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