タマゴにマヨネーズは体にいい!? 医学会がコレステロール=悪者説を撤回!の画像
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今年5月、動脈硬化学会が、血中コレステロールと食事に関連はないと発表した。なにを言っているのかわからないと思うが、要するに卵は1日1個までとか脂っぽい食事で動脈硬化が起きるといった、高カロリー高脂肪食=血管疾患の原因と習っていたことは全部間違いで、卵をいくら食べてもコレステロール値には無関係という話である。

なんだ、この今さら感は。

1日に必要なコレステロールのうち、3分の2(9割近いという話もある)は肝臓で合成され、残りは食物で摂取するが、全体量は肝臓の合成量でコントロールできる。もちろん物には限度があって、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロール値が高い人は食事制限が必要で、一般の人も一日の摂取量を超えるコレステロール1,200〜1,300mgを摂ることは勧められない。卵一個のコレステロールは200〜250mgなので、上限は5〜6個。他からのコレステロール摂取量も勘案すれば、3個程度が常識的な範囲ということになる。人間は数が多いので、中には10個食べても平気という人もいるだろうし、そこで屁理屈をこねても仕方がない。鶏卵は不飽和脂肪酸を含み、これはコレステロールが血管壁に沈着しないように防ぐ。だから鶏卵に関してはいくつ食べても動脈硬化には関係ないという説もある。だから、あくまで常識の範囲での話だ。

しかしなぜコレステロールが悪者にされたのだろうか? 20世紀初頭にロシアの科学者がウサギに肉を食べさせ、人工的に動脈硬化を起こしたのが元ネタらしい。コレステロールと動脈硬化を結び付けた画期的な実験ではあったが、相手はウサギである。肉を食べないウサギに肉を食べさせ、だからコレステロールを食べてはいけないというのは極論である。むしろ適度なコレステロールは血管を強化して脳卒中など血管が弱くなって起きる病気を防ぎ、細胞壁を強くして感染症に対する免疫を強化するといわれる。脳内にも多く含まれており、神経線維を守る神経鞘を強化し、神経伝達に重要な役割を果たす。

何事もいい面と悪い面がある。なんでもほどほどが一番ということだ。それにしてもコレステロールの摂りすぎとあれだけ騒いでいた話をいきなり引っ込めるのだから、医療不信が起きるわけである。

それだけ人間は人間のことはわからないという証左でもあるわけだが。

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