1isii1
パンチ佐藤の「野球が一番!」
第18回 高校野球・甲子園地方予選編vol.1


7月になります。いよいよ、夏の甲子園大会・地方予選が始まりますね。高校生にとっては大事な一戦。特に、3年生は今大会が高校野球最終戦になる可能性もあります。

「甲子園」……確かに、高校生にとっては誰もが憧れる聖地です。ところが、この聖地に対する「意識の差」が野球人としての資質に大きく関わります。

「甲子園に行けたら良いなあ」――そう思って練習している高校生と、「甲子園で活躍して大学やプロへ行くんだ」――という将来を見据えて練習に励んでいる選手は、この3年間で明確な「差」が生まれます。「甲子園は通過点」と目的意識を持っている高校球児が揃っている学校は強い。負けないです。

僕は神奈川・武相高校の出身。神奈川といえば、横浜高校、横浜商業、法政二高、桐蔭、東海大相模など、強豪校が勢揃い。甲子園に行くのは、容易ではなかった。

僕は中学3年の時、法政二高と武相から声をかけて頂きました。練習環境など考え、武相を選択。が、僕の頭は「その先」……高校卒業後を常に意識していました。

当時、高校卒業後、地元・川崎市水道局で軟式野球を続けるつもりだったんです。何しろ、川崎市水道局は軟式野球の日本一。僕はそこ(川崎市水道局への入団)を頂点に野球に励んでいたんです。

一方で「甲子園→プロ野球」の“エリートコース”については横浜高校に進学し、その後、プロ入りした先輩を知っていた。その先輩は「甲子園のレベル」「プロのレベル」を計るにはもってこいでしたね。まあ、プロ入りなど頭の片隅にもなかった中学3年時の佐藤和弘には、あまり現実的ではありませんでしたが……。
  1. 1
  2. 2
  3. 3