好調狙い馬予想 薮中泰人
ウリウリ初の6Fが吉と出る


ニュー中京になって4回目を迎えるCBC賞が開幕週のメインだ。

前3年はマジンプロスパーが2連覇したあと、昨年がトーホウアマポーラの勝利。そのトーホウは今年も出走するが、少しばかり注意したほうがいい。CBC賞のあとの4戦が8、14、17、9着と不振だが、夏場は最も得意にしている季節。2週前時点で2本の坂路追いをこなし、行きっぷり自体も違ってきたからだ。中京は3戦2連対と相性のいいコースでもある。

さて、今年のメンバーで最も注目しているのは牝馬のウリウリだ。初の6Fへの参戦だが、むしろ吉と出る可能性が強い。
デビュー時からマイル戦を主体に使い、オープンまで駆け上がったが、昨年からスプリント色がやけに強くなってきた。昨春の阪神牝馬Sから前走の安土城Sまで7F戦を4度使ったが、その成績は順に2、4、3、1着。いずれもレース上がりを0秒6以上も上回る末脚で好勝負に持ち込んでいる。とりわけ前走は見事な切れ味。4角6番手から3F33秒1の末脚で楽勝した。勝ちタイムは1分19秒0のレコードだった。

年齢を重ねると、その馬が持つ本来の顔がむき出しになるケースは競馬の世界では多い。前走後、早くもここへの出走を決めたのも、陣営がスプリンターとしての可能性を強く感じとったせいだろう。小回りコースの6Fだと展開負けするケースがあるが、中京の直線コースは長い。試すには絶好の舞台だ。深謀遠慮がある藤原英師の作戦がズバリはまる。

もちろん、ウリウリは好体調をキープしている。一時は420キロ台に落ち込んだこともある馬体重が前走では476キロ。体にも張りがあり、落ち着きも加わった精神面から、今が完成期のニュアンスまである。

ライバル馬を上げると、まずサドンストーム。昨秋のスワンSから前走の高松宮記念まで、重賞メンバーでもほとんど掲示板を外さない健闘ぶり。地力は今年のメンバーでは最右翼だ。

あと、休み明けでも逃げっぷりがよかったホウライアキコ、能力高いレッドオーヴァルあたりも馬券圏内をうかがう実力馬だ。

同じ日曜日、開幕福島を飾るのは、3歳重賞のラジオNIKKEI賞だ。
最有力は関西馬のアンビシャスである。ダービーTRのプリンシパルSを快勝。その後、ダービーには向かわず、ここ一本に絞っての調整だが、文句なしの中間気配だ。欠点は掛かる気性だが、速い流れになる小回りの福島なら、杞憂に終わるだろう。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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