美和 最近、ニュース・新聞などでは「憲法改正問題」や「首相の戦後70年談話」など、難しい話題が多いですね。私は人間関係の泥臭さがよく出る“政局”の記事の方が好きです(笑)。

宗男 これも立派な“政局”ですよ。私に任せなさい!

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美和 では、これらに関する宗男先生のお考えを今日はわかりやすく訊いてまいりましょう。安倍首相は、できれば自主憲法を制定したい。それが出来なければ第9条を改正したりして「自衛権を持ちたい」と、今いろいろ動かれていますが、宗男先生はその辺はどうお考えですか?

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宗男 ウム…。私は“時代に合った憲法”というのは必要だと思います。半世紀以上にわたり憲法を一字一句変えていないのは日本だけなんです!どこの国も10年なり20年で見直ししたり、その時代に合ったものを採り入れてきてるんですね。「プライバシー」だとか「基本的人権」なんかにもきちっとした定義が必要だと思います。

美和 戦後どころか、このたった20年間でも様々なものが変化しました。ネット時代になって24時間監視されているような感じもあったりで、それに対する特別な法律もなければ、科学技術の進歩に法律が追い付いてない部分もありますね。

宗男 ですから“時代に合った憲法”は必要だと思います!それと、自衛隊は今の憲法9条では認められてないんです。火山爆発、台風、山で遭難した。あるいは洪水があったり地震があったり。こういう時、いちばん先に声がかかるのが自衛隊ですよ。自衛隊の方々のためにも組織としてきちっと認めてあげる。もう多くの国民は「自衛隊が必要だ」と言っているのです。自衛隊は今まで「専守防衛・国防の任に当たる」ということになってきたけれども、国民を守るためのいわゆる“災害派遣”っていうのも自衛隊の任務に入ってるわけですから。そこまで何でもかんでも自衛隊にお世話になっているにもかかわらず、憲法では“組織として”認められていない。

美和 矛盾していると?

宗男 自衛隊はきちっと憲法9条で認めてあげるべきです。ただ、この第9条でも「戦争の放棄」だけは絶対に無くしちゃいけません!憲法9条は“21世紀を見据えたもの”であったと思いますよ。“世界に誇り得る条文”だと思っています!!

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美和 私は「所得倍増計画」と言うフレーズが最も名文だと思います(笑)。

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宗男 ははは…。それはさておきです。第9条の「戦争の放棄」これは絶対に平和国家日本として守る。ただその第9条の中にですね、「陸・海・空軍、いわゆるこれを保持しない」と、こうなってるわけです。これはちょっと待ってくれよと。それでは自衛隊はどうなるんだと。自衛隊の組織は無い事になっているんですよ!憲法では。ここは変えた方が良い。今、安倍さんが安保法制をやってるけども、本来は憲法を改正してからの議論です。順番が違う。

美和 なにか急いでるんですかね?

宗男 憲法で認めていない組織の自衛隊に、あーしろこうしろというのは、矛盾してると思いますよ。

美和 どうしてそういう順番になっちゃってるんでしょうか?

宗男 “頭に虫が入ってる”んでしょう! それと、佐野さんの感覚からしたって今安保法制を急ぐ必要ありますか?十分時間をかけて審議をすべきです。たとえ1年かかっても、2年かかっても、 丁寧に国民に説明する責任があります。
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