挨拶と身なりには一家言アリ

ヤクルトでは師弟関係だった古田敦也氏にも厳しい。
多くの本を出し続ける"名将・野村"は、近著『リーダーのための「人を見抜く力」』によると、日本一となった記念の優勝旅行に旅立つ直前、成田空港のロビーで、母親を連れた古田は野村氏の前を素通りし、挨拶をしなかったという。

〈その後、飛行機でも、また、現地についてからも、古田が(中略)挨拶にまったく来ない〉
〈人間性のいろはの「い」が挨拶〉
〈古田が監督として、満足のいく結果を残せなかったのも、そんなことが関係していたのでは〉
と、丁寧に"挨拶論"をブチ上げた。同様に、ノムさんが重要視しているのが"身なり"の問題。

標的は、今季、本塁打王獲得も十二分にある"ニッポンの巨砲"日本ハムの中田翔選手。彼のあごひげを見て、
「日本を代表する一流選手なら、身なりをちゃんとしてほしい」
ヘルメットを取って、ワイルドな金髪をさらすと、
「取るなよヘルメット! お客さんにだらしない格好を見せちゃダメなんだよ」
と激憤!!

続けて別の日、阪神の和田豊監督のサングラス姿に苦言を呈し、そのときの対戦相手だったDeNAの中畑清監督を、
「中畑は偉い、サングラスをかけてない。和田はサングラス。これが首位と4位(試合前の順位)の差だね」
と謎のファッション評(!?)を展開したのだった。

ただ、中畑監督を持ち上げる一方、今春の『週刊現代』のインタビューで、
「中畑清監督のベンチでの一喜一憂ぶりが私には気になります」
と、本気のダメ出し。

「監督には常にチームを勝たせる責任感、使命感があり、チームの流れがどんなにいい時でも、先のことを心配するのが仕事です」
と、まっとうな指摘。続けて、
「誰かがタイムリーヒットを打っただけでキャッキャと騒ぐ心境にはなれないはずなのですが……」

交流戦で10連敗。失速したDeNAの現状は、予測どおりといったところか。
ノムさんの"口撃"対象は、前述の和田監督しかり、当然、古巣の阪神にも向かう。
「阪神の監督をやったのは大失敗。後悔している」
と発言したのは、5月末の講演会でのこと。続けて、
「犯人は新聞記者。"弱い原因は監督と球団だ"とスポーツ紙は記事を作る。(中略)ダッグアウトの横まで来て、"辞めちまえ!"と、関西の野球ファンはヤジがきついんです」
と言いつつ、80歳になることを会場から言われると、
「ゾッとするわ。線香上げに来い」
と、ブラックジョークで即応する余裕を見せた。

球界メッタ斬りのボヤキ連発は、今日も明日も続いていく!

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