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パンチ佐藤の「野球が一番!」
第19回 高校野球・甲子園地方予選編vol.2


前回は、脇目も振らず練習することが高校生には大事である、と説きました。とはいえ、喫煙や無免許運転など「やんちゃ」をしても、プロから声がかかるケースは稀にあります。こちらは天賦の才ということでしょうが、彼らはプロ野球界で一流にはなれても、超一流にはなれません。心のどこかに「甘え」があるのかもしれませんね。

それはさておき、高校生が甲子園→大学・実業団・プロを目指している中、意外に軽視されがちなのが「親」。親の存在は、高校生にとって重要なんです。

しかも、大事なのが「親の応援」。熱血親父は「お前の目標は甲子園じゃないだろう」と、プロへ意識を向かせます。実はこれがNG。そうでなく、「甲子園にお父さんお母さんを連れて行ってくれたら嬉しいなあ」と目先の目標を鼓舞する。そして、甲子園に行って何をするか、具体的な目標を立てさせるんです。

「ヒット1本、打ちたいね」「ホームランだったら最高だねえ」とか言うと、「僕は甲子園に行ってホームランを打ちたい」となる。そこで、熱血親父の登場です。

「ホームランを打ったらスカウトの目に止まるんじゃない?」と言ってあげる。すると、本人がその気になる。こういう風に持ち上げる方法があるんです。
「スカウトたちが来ているところでバカなことをしたら取り消しになる。自覚しなさい」という親子の会話があれば、子どもは目の色を変えて野球に打ち込みます。

ところが、今の熱血親父は、子どもより自分の方が前のめりになってしまいがちです。親の動向次第で、最後は自分の意志で決めたとしても、人生が大きく狂ってしまうこともあります。背伸びをするのではなく、身の丈にあったところから徐々にレベルアップするのが常套だと思います。

ここからは私の体験談。私は中学3年の時、法政二高と武相高からスカウトが来ました。家族会議の結果「勉強と両立ができない」という理由で、武相を選びました。
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