これから夏本番。お茶やアイスコーヒーなど、何かとドリンク類にお世話になるシーズンの到来だ。
とはいえ、「甘い飲み物は糖尿病やダイエットの大敵!」とばかり、やり玉に挙げられてしまうことも事実……。老若男女の間で健康志向は高まりつつあり、さもありなんといったところか。
我々オジサン世代が子どもの頃は、甘さてんこ盛りの飲料が当たり前だったが、いまや「カロリーオフ」がトレンド。近年は、ほど良い甘さがあるにも関わらずカロリーゼロという、人工甘味料が入ったドリンクが人気を集めている。
そもそも人工甘味料とはどんなものなのだろうか。正確には「ノンカロリー人工甘味料」であり、高カロリーの砂糖に対して、甘みがありながらもカロリーゼロ、もしくはゼロに近いモノが該当する。
代表的な人口甘味料といえば、「アセスルファムK」「アスパルテーム」「サッカリン」「スクラロース」などがある。日本で流通しているゼロ系飲料でも、成分ラベルを見ると、これらが使われていることがほとんどだ。
これらの人口甘味料はいずれも、病気や疾患リスクに対して研究が行われ、安全性試験もクリアしている。しかし、その一方で「人工甘味料は糖尿病リスクを高めている可能性がある」という研究報告が、英科学誌『ネイチャー』で発表された。
他にも、「スクラロースを大量摂取すると胃腸のバクテリアに悪影響を及ぼしてメタボや糖尿病リスクが高くなる」など、デメリットに関する情報が錯綜。その真偽は定かではないが、人口甘味料の危険性を心配する消費者は増えてきているという。
これを受けてか、サードトレンドとして現在注目を集めているのが、「人工甘味料不使用」のドリンク。今年に入ってから、人工甘味料とは違う甘味を使用して「カロリーオフ」を実現した飲料が各メーカーから発売されはじめたのだ。
例えばおなじみのコカ・コーラであれば、古くから愛されている赤ラベルは砂糖、ブラックラベルの「コカ・コーラ ゼロ」はアスパルテームとアセスルファムKの人口甘味料が使用されているのに対し、今年3月に発売された「コカ・コーラ ライフ」は、砂糖とステビアの葉から抽出された植物由来の甘味料を用いている。
他にも、人工甘味料不使用のフルーツ系ドリンク、コーヒー、さらには発泡酒など、ある意味、最先端のヘルシー系飲料のラインナップは広がり続けている。これらの商品が「人工甘味料ゼロ」「自然由来の甘味料」と強くうたう理由も、以上のような背景があるからなのだ。
「甘くても太らないのがいい」「同じ甘いなら健康的なほうがいい」――消費者のニーズはいつも様々。何かと潤いを求めがちな季節でもあるから、タイミングに応じて飲み分けてみてはいかがだろうか。