競馬で1億5000万円! あの「ハズレ馬券裁判男」が初めて口を開いた!の画像
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ギャンブルでの負け分は、税金控除の対象となるか!? 前代未聞の訴訟に発展した渦中の人物に話を聞いた!

読者諸兄は"馬券裁判"を覚えているだろうか。
2012年、大阪府在住の男性(=卍氏)が、馬券で得た所得を申告せず、単純無申告の罪で、刑事裁判にかけられたのだ。

この訴訟の行方は、全国紙をはじめ、各マスコミが大々的に報じ、大きな注目を集めた。それもそのはず、その金額があまりにも大きかったからだ。
卍氏は、07年から09年のわずか3年の間に、28億7000万円の馬券を購入し、30億1000万円の配当を得ており、約1億5000万円もの利益をあげていた。
しかし、大阪国税局が求める、利益に対する課税額は5億7000万円と、利益を上回るものだった。
というのも、課税対象が、配当である30億1000万円の総額で、当たった馬券の購入額しか経費として控除されなかったためだ。

卍氏は、「的中した馬券馬券の代金も必要経費になる」と主張し、最高裁まで争われることとなった。
これがいわゆる"馬券裁判"と呼ばれるもので、最高裁まで争われた結果、今年3月に「外れ馬券は経費」と卍氏側の主張が全面的に認められることとなった。

前代未聞の裁判となったが、その行方よりも注目を集めたのは、1億5000万円を稼ぎだしたのが、ごく普通の会社員だったということだろう。

いったい、どんな手法で莫大な金額を稼いだのか、また、卍氏とはいかなる人物なのか。
本誌は、7月下旬に著作『馬券裁判-競馬で1億5000万円儲けた予想法の真実-』(メタモル出版)を出版することとなった卍氏への直撃取材を敢行した――。
「巨額の課税処分がなされてから約5年(編注・10年に大阪国税局が卍氏のもとを訪れた)、とても長かったです。5億7000万円の課税額に、地方税なども加わるため、最終的に納めなければならない金額は、追徴金を含めると、およそ10億円にもなっていました」(卍氏=以下同)

10億円という税額は、見直しが確定するまでは、納税の義務が生じるため、卍氏は手元に残っていた金融資産のうち、裁判の費用を除いた残りの6000万円弱を納め、毎月の収入から生活費を除いた残りを納税に充てていたという。
「競馬で儲けた金額の半分は、将来、税務署に指摘され、税金を納めることになった場合に備え、手をつけていませんでした。しかし、残りの大部分は投資信託で運用しており、先のリーマンショックで、そのほとんどを失ってしまっていました」

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